クリスマスカラーに想いを寄せてクリスマス企画 クロナ
「メリークリスマス、クロナ!」
ヘヤノスミスにうずくまるクロナに呼びかければクロナはびくりと反応し、恐る恐る顔を上げた
「め…めりーくりすます…なまえ先生…」
サンタ姿のなまえに少しだけクロナが目を見開く。赤い帽子に赤いチューブトップ、赤いミニスカートに赤いブーツ。ボアの白以外は全てが赤く、なまえの白い肌が眩しい
なまえは死武専に働く教員だ。彼女は毎年、クリスマスの日に生徒達にプレゼントを届けに行く。生徒達は彼女を心待ちにし、クリスマスを過ごすのだ
「サンタがプレゼントを届けにきたよー!」
「(どきどき…)」
「まずはラグナロクに」
「おっしゃあなまえ!お前を俺にくれ!」
ぐわりとクロナの背中から飛び出した小さいラグナロクは身を乗り出してなまえに飛びついた
「ラ…ラグナロクッ…いいいいやらしいこと言わないでようっ」
「あたしはあげられないけどさ、あたしが作った苺飴ならあげる」
白い袋から差し出したのは握り拳ほどの大きさの飴玉が詰まった大きな瓶。透き通るような赤や、とろけそうな桃色。ラグナロクは思わず舌なめずりをし、その反面クロナはどうやって作ったのだろう…と呆けていた
「さて、次はクロナだね」
「(どきどき…)」
「と、いうか何がほしい?」
「………………え?」
「いやークロナが何がほしいか分かんなくてさー」
クロナはガツンと頭を殴られたような感覚に陥った。切なく寂しい気持ちが押し寄せる
「だから、なんでもなんなりと言っちゃって」
「なん、でも……?」
「あ、でも死神様の仮面とかは無しね」
けらけらと笑う名前。彼女はまだこれから他の生徒達のプレゼントを届けにいかなくてはならないのだ。でも………
「じゃあ…なまえ先生の…」
「あたしの?」
「の…残りのクリスマスが…ほしい、です」
「そんなのでいいの?」
「…うん…」
「謙虚だなあ」
「ご…ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。ほめてるんだから」
そういって、しゃがみこんだクロナの頭を撫でる。クロナはそのくすぐったい感覚に頬を少し染めた。
そしてその様子を見たなまえは口元を緩め、クロナの頬を両手で包み込む
「なまえせんせ…?」
「もうすぐ12時だね」
「……」
「クリスマスじゃなくても、いつも一緒にいてあげる」
「ほんとう…?」
「ほんと」
「うれしい…」
更に頬を染めるクロナ。幸せでいっぱいな気持ちを噛み締めるように瞳を瞑る。そうすれば鼻にやわらかい感触が。
「ぇ……?」
見上げた先には愛おしそうにこちらを見つめるなまえの顔。窓からの光がなまえを輝かせて、部屋一面が薄緑色に煌めいた
「メリークリスマス、
クロナ」
クリスマスカラーに想いを寄せて
(ハッピーハッピークリスマス!)
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