私の仕事
いけないいけない。マーモンの事を考えていたら歩くのが遅くなってた。ボスに呼ばれたんだった。コォォは御免被りたい。
「おせぇぞカス。」
「ちょっと考え事しちゃったんです!」
「仕方ねえ、許してやる。」
珍しく優しいボスに驚いたけど同時にホッとした。ボス、機嫌良いみたい。
「3日間の任務の書類は読んだよな?」
「はい、でもあれなら2日間でいいと思うんですけど」
「いや3日間でいい」
思う所はあったけどボスには逆らわない。明日の私の任務というのはあるファミリーへの潜入。といっても、そのファミリーの本部の建物からある書類を取って来るという、かなり単純な仕事になっている。
「しっかりやれ。」
「了解です。」
「失敗したらカッ消す。」
「失敗なんてしません!」
「ドカスが。」
ボスはいっつもこんな感じで私を心配してる。私も一応幹部と同じ立場だし、自信持っていいと思うんだけどなー。
「ボスは心配しすぎですよ、私だってヴァリアーの」
「ハッ、てめーはただの忍び屋だろうが。」
むかー。こそ泥みたいにいいやがった。もういいよ。任務1日で終わらしてやるよ。‥いや、やっぱ1日は無理だけど。
「じゃあ行ってきますボス。」
「‥‥。」
ボスの部屋を出ようとドアノブに手を掛けて振り返ると、ボスはまだ私を見ていた。
(なまえ、少し痩せたな。)
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