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カフェ『皐月堂』へようこそ(レナルキ他)
本編8
「こ……こんにちは……」
 私は慌てて頭を下げる。アイちゃんとマコトくんも私に続いて頭を下げる。
「やあ、こんにちは〜! 牧野さん!」
 青いコートを着たデジモンは、こないだと同じように杖をついている。赤い玉石が持ち手の、不思議な形の杖……。
「俺のこと覚えていてくれたんだね〜」
 コートと揃いの青い帽子を目深に被っているのでちょっと怖そうに見える。けれど、声はとても優しい。彼は帽子から覗く金色の瞳を、とても嬉しそうに細める。
 ――コート姿で暑くないのかしら? 暑いわよね? どうしてこの炎天下でも着ているの? もしかして、人間の姿だけれど……この姿の時でも半分ぐらいはデジモンなのかしら?
「あの、すみません。病院ってこっちで道は当たっていますか?」
 そう私が訊ねると、
「え? うん、そうだよ〜」
 と、ちょっと驚いたような顔をして、でもすぐにその方角を指差した。
「あっちだ。俺も今から行こうと思っていたんだ」
「本当ですか?」
「そこまで一緒に行こう」
「すみません。よろしくお願いします」
 私は頭を下げ、アイちゃんとマコトくんも同じように頭を下げる。
「……うん、行こうか」
 彼はアイちゃんとマコトくんを不思議そうに見つめ、でもすぐに歩き出す。
 私達も歩き出した。
「俺……ええと……」
 歩きながら、青いコートのデジモンは言いかけて、でも言葉を途切らせる。
「何ですか?」
 私が訊ねると、
「ううん、あの……なんでもないから……」
 そう、青いコートを着たデジモンは困った顔をする。
 その視線の先にアイちゃん達がいることに気付いて、
「私の友達で、アイちゃんとマコトくんです」
 と紹介したら、彼は
「ああ、うん……よろしく……」
 と、少し歯切れが悪くなる。
 今度は彼をアイちゃん達にも紹介しようとして、名前を教えてもらっていなかったことに気付いた。
「あの、すみません。名前を教えていただけますか?」
 そう訊ねたら、青いコートのデジモンはふと、遠くを見つめるような目をした。けれどそれも一瞬で、すぐに溜息をついた。
「ちょっと言いにくいなあって思ったんだ……」
 そう言われて、
「え……?」
 私は首を傾げた。アイちゃんとマコトくんも不思議そうな顔をする。
「ベルゼブモンは君達が俺と一緒にいたってすぐに気付く。俺と会ったって知ったら、嫌な顔するかも……」
「嫌……?」
 予想もしていないことを言われたので、私は驚いて立ち止まった。アイちゃんとマコトくんも立ち止まる。どうしよう、と迷ったけれど、私の後ろにアイちゃん達がいるから勇気を出した。
「あの……ベルゼブモンとは仲が悪いんですか?」
 もしもこのデジモンがアイちゃん達を危険な目に合わせるかもしれないのなら、とにかく守らなくちゃ!
 けれど、
「俺の名前は、マミーモン」
 と、意外にあっさりと名前を教えてくれた。
「マミーモンさん……ですか……」
 私は驚いて訊き返した。まさか、偽名じゃないと思うけれど……。
「昔、ベルゼブモンと知り合いだったんだ。今は……疎遠だ……」
「疎遠……」
「俺が避けているし、ベルゼブモンも声かけて来ないしね」
「それって、ケンカですか?」
「ケンカじゃないよ。昔のことで――牧野さんは五年前の事件のこと、もう知っているんだよね?」
「え……!」
 もちろん私は驚いた。けれど、アイちゃんはもっと驚いていて、
「そうだったんですか……! あの、それって、ベルゼブモンと一緒にあの時に戦っていたってことですか?」
 と訊ねる。
 すると――そのデジモンは肩を落とした。
「うん……ベルゼブモンから戦い方教わったこともあったけれど……ちょっと違うんだ。それと――あの戦いの話はあまりしたくないんだ。ごめん……」
 そう、マミーモンさんから謝られてしまった。
「……私こそごめんなさい……」
 アイちゃんも頭を下げる。マミーモンさんは急いで首を横に振った。
「きみが謝ることないよ! ――ベルゼブモンから、もしも……俺と会ったか、とか、そういうことを訊かれたら、その時は話してもいいんだ。あの事件が今回の事件に繋がったけれど、本当にこれで終わったっていうのなら……また一緒に飯でも食えるかもしれないからね」
 そう、マミーモンさんは言った。アイちゃんを気遣って話し方は明るくしているけれど、寂しそうだった。
 アイちゃんは首を横に振った。
「いいえ! ベルゼブモンは……今は私に会いたくないみたいで……。だから……」
「そうなの!? どうして?」
「理由は解らないんです……」
「そうか……。でも、あと数日でベルゼブモンの検査は終わるよ。また会えるよ」
「本当ですか! ……でも……よく解らないんです。理由が解らないけれど、とにかく会ってくれなくて……」
「そう……。アイちゃん。――きみが一番望むことは何かな?」
 マミーモンさんは優しい声で、そう、アイちゃんに訊ねた。
 アイちゃんはまっすぐにマミーモンさんを見つめる。
「会いたいんです。ベルゼブモンに会いたいんです……」
「それって、今だけのこと? 違うよね?」
「え? いいえ! あの……ずっとです!」
「そうだね。きみが本当に望むのは『今だけ』じゃない。『これからも、ずっと』ベルゼブモンに会うことだものね。大丈夫だよ。ベルゼブモンなら、大丈夫だから。とんでもなく強いから、ずっと一緒にいてくれるよ」
「マミーモンさん……?」
「――さあ、行こうか? 立ち話をしていると汗だくになるから」
 マミーモンさんは私達を促して歩き始めた。
 やがて、病院が見えてきた。早く着くことが出来たのはマミーモンさんのおかげだと思う。
 病院の入り口の自動ドアが開く。広いロビーはひんやりと涼しくて、私達はほっとした。
「気持ちいい……」
「外、暑かったものね」
「涼しいー」
 と私達が言う隣で、マミーモンさんは
「ふう、助かる〜」
 と、額の汗を拭う。
 ……頭には帽子。コートにズボン、革靴、手袋っていう、その服装がより体温上げていると思うのに……。
 私は思い、ふと、体にケガでもしているのかしら?、隠さなくちゃいけないほど体中が傷だらけ?なんていうことも考えた。
 けれど、杖をついているわりにはそこまで足が不自由には見えない……不思議……。
「こっちだよ。名前書いて……」
「はい」
 マミーモンさんに教えてもらいながら、私達は面会の受付を済ませた。
「そう、牧野さん達は……病室はあっちだ。それじゃ……」
 マミーモンさんと別れた。マミーモンさんはマスターのお見舞いに来たという。
「あ……ありがとうございました!」
 私は戸惑いながら頭を下げた。再び頭を上げると、マミーモンさんが少し先を歩いていく姿が見えた。看護師さんに挨拶をしながら、ゆっくり歩く老いたデジモンに会釈しながら……。
 私、アイちゃん、マコトくんは、誰からともなく、お互いの顔をうかがう。
「どう思う?」
「どうなんでしょう?」
「どうなのかな?」
 とりあえず歩き出したけれど、それぞれ黙ったまま……。私はマミーモンさんのことを考えていたけれど、アイちゃんとマコトくんも同じだと思う。
 マミーモンさんはどこからどう見ても、とても親切なデジモンで優しそうだし……実際、優しかった。それなのに……一緒にいたと知ったらベルゼブモンが嫌がる……? どうして? 今でもそうなのかしら……?



 やがて、レナモン達のいる病室の前にたどり着いた。ドアをノックしてから開けると、
「留姫! おはよう!」
 自分の使うベッドの上にいたポコモンが起き上がり、そこからトコトコポーンッと床に降り、こちらに駆け寄ってきた。
「おはよう!」
 私はしゃがみ、ポコモンを見つめた。
「元気そうね」
「一晩で元気が無くなると思った?」
 私の言葉にポコモンはそう応えるけれど、ベッドに寝たきりのアリスから
「その言葉どおり、元気がありませんでしたよね?」
 と言われ、
「そんなことはないっ」
 と、少し焦った様子で返事をする。
 アイちゃんは瞳を輝かせてポコモンを見つめるけれど、私がそうしたように「かわいい!」と言って飛びつくようなことはしなかった。
 ――さすがに……それはそうね。私は『レナモンが退化』したことに驚いたから余計にそうなった……ううん、違う! 『レナモンが』が、重要ポイントよ! それなら……アイちゃんの前でベルゼブモンが退化した姿になったら……? ベルゼブモンが退化した姿って一度も見たことないけれど……、人間の子供も、動物の子供も、皆、『かわいい』じゃない。幼年期のデジモンも……いつか病院で見た子達はとてもかわいかった! ――ベルゼブモンが退化した姿って、やっぱりかわいいのかしら……うーん、想像しにくい……。
 考えていると、
「留姫……?」
 と、ポコモンに呼ばれた。大きな瞳が不審そうに私を見つめている。
「……誰と会ったの?」
「な……なんでもないわよ!」
「なんでもないの?」
 ポコモンはムッとした顔で私からサッと離れると、不思議な色の光を発した。
「ポコモンッ! ――わっ! レナモン!?」
 すぐにレナモンの姿になった。レナモンの姿は私よりずっと大きいので、ムッとした顔も迫力が増す。
「なんでもないったら……」
 私は焦り、首を横に振って立ち上がった。
「私に隠すこと?」
 レナモンは少し厳しい口調で私に問いかける。
「あ、……はい、マミーモンさんに……」
 私は条件反射的に、右手をそうっと上げて答えた。レナモンったら……デジモンの気配がするから敏感になったのかしら?
「……え?」
 レナモンは不思議そうに瞬きをする。
「ほら、昨日マスターの病室で会ったデジモン。青いコートの……」
「あのデジモン? そう……?」
「病院に来るまでの道で偶然会ったの」
「そうだったの……」
 レナモンはまだ少し不審に思うみたい。けれど、お見舞いに来た私達に椅子を勧める。
「ありがとう。でも、先にマスターに挨拶した方がいいかしら?」
 私が訊ねると、レナモンは
「今は検査の時間らしい」
 と教えてくれた。
「そう? それなら検査が終わった後にするわ。――そうだわ、マミーモンさんはマスターに会えなかったわね……」
「樹莉が病室に残っていると思うから、待っている間は話し相手をしてくれるだろう」
「そうね、大丈夫ね……。ところで、ドーベルモンさんは? まだ帰ってきていないの?」
 レナモンに訊ねたけれど、
「朝早く来て、また出かけたのっ」
 と、アリスがそう教えてくれた。
「それでアリスは不機嫌なのね」
「不機嫌になってもいいでしょう? 拗ねるぐらい……。どうせ今の私には何も出来ないもの……」
 アリスは、ぷいっと窓の方へ、顔を向けてしまった。
 私は椅子に腰掛けた。
 アイちゃんとマコトくんは、椅子に座ろうとしない。
「どうしたの?」
 私が訊くと、二人は揃って
「お見舞いに何も持って来ませんでした……」
「……そうだよ! お見舞いだもの……ケーキとか……」
 と、突然ため息をついた。
 私は
「いらないわよ。――ねえ、アリス?」
 と、ベッドの上にいるアリスに訊ねた。点滴をしたままなのであまり動けないアリスは、まだ拗ねている顔をこちらに向け、頷く。
「動けないのにケーキだなんて、退院出来るまでにどれだけ太るか、想像するだけで恐ろしいわ! お見舞いに来てくるだけでいいの。とても嬉しいわ! 退屈でどうにかなってしまいそうなの!」
 アイちゃんは頷く。
「動けない時ってそうですよね……」
「? ――ねえ、アイちゃん。もしかして、スポーツは得意かしら?」
「え?」
 突然、アリスはアイちゃんに興味深そうに問いかけた。アイちゃんは驚いた顔をしている。
「ね? そうでしょう? 何かスポーツをしていて、けがをしたことがあるんじゃない?」
「ええと……」
 アイちゃんは突然、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに下を向いてしまった。
「アリスったら! その本の影響?」
 私はアリスに小言を言った。アリスの手元には小説の本が三冊。そして、金色の毛並みで、赤いリボンを首に巻いたクマのぬいぐるみもいる。昨日は無かった物ばかり。
「おじいちゃんからの差し入れなの。ミス・マープルとか……」
「なるほどね。アリスは推理小説も好きよね〜。けれど探偵さん、アイちゃんが困っているわ!」
「あら、ごめんなさい!」
 得意そうだったアリスは慌てて謝る。
 アイちゃんは恥ずかしそうに、落ち着かない様子で私達を見回すと話し始める。
「……小学校の時に……その……」
「小学校?」
「はい、あの……足を痛めたことがあって……治るまでに四キロも太っちゃったことがあるんです……!」
「ええっ、四キロ!? 大変!」
 アリスは目を丸くして声を上げる。
 もちろん私も驚いた。だってアイちゃんが太るなんて考えられないんだもの。
「はい、慌てました……! あの、今は痩せましたから! 普通に歩けるようになったらだんだん元に戻って……ホッとしました……」
「そうなの? 良かった! 私も太りやすいのよ。それで? どんなスポーツ? アイちゃんなら……そうね、テニスかしら? 当たっている?」
 アリスが興味津々なので、アイちゃんは思い切ったように顔をまっすぐ向けた。
「あの……体操を……」
「体操? 新体操?」
「ええと、……器械体操です……」
「そうなの? すごいわ、アイちゃん!」
 アリスは驚いたし、私ももちろん予想もしなかったことなのでさらに驚いた。
「そんなに活発だったの……!」
「あの、活発というほどじゃ……友達に誘われただけで……」
「ええっ、もしかして、バク転とか? するの? マジ?」
 するとアイちゃんは顔を真っ赤にして
「あのぉ……はい……でもバク宙までは出来ませんけれど……小学校の時のことで、あまり危険な技は……」
 しどろもどろに話して、とうとう、
「あの……内緒にして下さい……」
 と俯いてしまった。
「どうして? すごいと思うけれど?」
「ぜんぜんすごくないですから……」
 顔を真っ赤にして、本当にかわいそうなぐらい恥ずかしがっているから、さすがにちょっと変だわと思った。アイちゃんの弟であるマコトくんが、苦笑しながら右手を上げる。
「お姉ちゃんは大人っぽくなりたいんでーす!」
 とたんに、
「マコのバカッ! 余計なこと言わないでよっ!」
 と、アイちゃんは即座に怒る。普段大人しく控えめなアイちゃんも、弟には本音が出やすいみたい。
「お姉ちゃんは今のままで充分だと思うよ。悪いのはベルゼブモンだよ」
 怒られたマコトくんは、少しつまらなさそうな顔をしている。
「内緒かあ……うん、解ったわ」
 私は頷いた。
「お願いします!」
 アイちゃんは顔だけじゃなく耳まで真っ赤になり、深く頭を下げる。とても初々しい。
 ――なんていうか……既視感……つまり、デジャブ。この道はいつか来た道、というか……いつかの私。それもつい最近の……。『レナ』という存在を好きになってしまった頃の私が、今まさに目の前にいるアイちゃんとそっくり……。
 なんだか不思議な気持ちになる。ほろ苦いような、そんな感じだ。
 私はアイちゃんに訊ねた。
「アイちゃんが目指すのは『大人っぽい子』?」
「留姫さんっ!」
「ああ、違うの。からかうつもりなんかないわ。勘違いしないで……私もそうだったのよ。私は『大人しい子』を目指していたわ」
「ええっ?」
 アイちゃんが驚く。
「まあ、ね……」
 ちらりとレナモンに視線を送ると、慌てている。自分を話題にされたくない気持ちは私にも解るわ。
「……ま、私のことは置いておいて。約束するわ。絶対に内緒ね」
「ありがとうございます! ――あ!」
 ふと、アイちゃんは、納得したような顔をする。
「どうしたの? アイちゃん?」
「私も……内緒にして欲しいことってあるから……。だからベルゼブモンが会いたくないなら、そういう時は仕方ないかも……って……」
 アイちゃんはそう言うと、はにかんだ笑顔になる。
「ねえ? どうしたの? ベルゼブモンに何かあったの?」
 アリスが不思議そうに訊ねたから、私は、
「ベルゼブモンが忙しいらしくて、アイちゃん達と会ってくれないの」
 と伝えた。
「そうなの……辛いわね」
 アリスはクマのぬいぐるみの頭を撫でながら悲しそうに呟いた。
 アイちゃんは慌てて、
「でも、今は! ……ええと……大変なんだと思います。私は平気ですからっ」
 と言った。
「そうなの?」
「うん、それがね……。犯人の仲間がまだ残っている可能性があるから『盗聴』に気をつけて、って……」
 私はアリスに、昨夜にベルゼブモンから聞いた話を伝える。
 アリスは驚く。でもすぐにレナモンに、
「この病室なら大丈夫でしょう。それに、それらしいものがあれば、レナモンさんなら解りますよね?」
 と訊ねる。
「もちろん」
 レナモンは頷く。
「そうなの?」
 私はレナモンの大きな耳を見つめた。
「遠く離れた場所の音も聞こえるものね……」
「遠く? もちろん」
「ほら、ドーベルモンとアリスを探した時に!」
「ああ、そうだったね」
 レナモンは耳を少し動かした。
「デジモンだからそうなの? それとも学校で習うの?」
「デジモンでも、それぞれの能力で得意、不得意がある。訓練を受ければ長所は伸ばせ、弱点を克服出来るけれど……」
「何事も努力が大事ってことね」
 頷く私の隣で、
「訓練……ベルゼブモンもそうですか? ええと……」
 アイちゃんはそう、レナモンに訊ねる。レナモンの姿を初めて見たばかりなので、まだ緊張しているのかしら?
「ベルゼブモンは影で努力するタイプだから、訓練しているところを見たといえば……大学の試験前のことぐらいだけど」
 レナモンはそう言い、その様子を思い出したようでちょっと笑う。
「笑うようなこと? でも知りたいわ! ――アイちゃん、良かったね」
「はい! ありがとうございます!」
 アイちゃんはとても嬉しそうに頷いた。
「情報収集って大事よね! ぜひドーベルモンについても教えて下さい!」
 アリスが身を乗り出すように言ったので、皆で笑ってしまった。



 皆で話すのは楽しくて、時間はあっという間に過ぎた。
 昼食の配膳が行われ、アリスは私達に
「留姫達は、お昼はどうするの? 一緒に食べられる?」
 と訊ねる。
「そうね、パンかサンドイッチでも買ってくるわ」
 私はアイちゃん達と一緒に病室を出て、他の棟にある売店を探した。
 そこで、マミーモンさんにばったり会った。
「やあ、また会ったね〜」
 マミーモンさんは、サンドイッチやおにぎりが入っているらしい袋を提げている。
「マスターは検査を受けているそうですね」
「うん。お昼過ぎまでかかるらしいよ」
(……おかげで、予想外の展開に……)
 ひそひそとマミーモンさんは声を落とす。
(ええっと、樹莉が話し相手をしてくれているのかしら?って思っていたんですけれど……)
(他にも客がいてね……)
(他にも?)
(うん。それじゃ、急ぐから……)
 と言い、マミーモンさんは手を振って病室に戻って行く。
 予想外の? マスターの知り合いって多そう……。きっとたくさんのデジモンがお見舞いに来るのかしら? でも、あまり大勢がお見舞いに行くのはダメって、前におばあちゃんが言っていたっけ……。
 うーん……それにしても、やっぱりマミーモンさんは悪いデジモンには見えない……。
「留姫さん、決まりました?」
「あ、ごめん、今すぐ!」
 マコトくんに呼ばれ、私は慌てて、おにぎりを二つ選んだ。鮭と明太子。
 マコトくんは、おにぎりを三つ選んでいる。
「マコトくんは何を選んだの?」
「鮭、焼きたらこ、おかかです」
「そう。アイちゃんは……サンドイッチ?」
「はい」
 アイちゃんは嬉しそう。好きな具なのかしら? タマゴサンド……?
 三人でお会計を済ませると、私達の後ろに――いつのまにかロップモンがいた!
「ロップモン!」
 私は声を上げた。マコトくん、アイちゃんも
「え……?」
「あっ!」
 と声を上げて、飛び上がるぐらいに驚く。
「ふっふ〜♪」
 ロップモンはいたずらっ子のような笑みを浮かべている。
「デジタルワールドに戻ったんじゃなかったの?」
 私は話しかける。すると、私達と同じようにおにぎり、菓子パンを買ったそのデジモンは
「ふふふ〜♪」
 と、小さな口元を手で隠しながらさらに面白そうに笑う。
「どうしたの? 何かあったの?」
 私が問いかけると、アイちゃんとマコトくんが
「待って! たぶん、違います! ロップモンさんじゃありません!」
「ずっと前に僕達の前で退化してくれたことがあるんです! その時と姿が違います!」
 と、そのデジモンを指差した。
「え? えっと……?」
 私はじっくりとそのデジモンを見つめた。違う……? アイちゃんとマコトくんはそう言うけれど……?
「あの、すみませんが……」
 売店の店員さんが困っているので、
「すみません!」
「ご迷惑おかけしました」
「ごめんなさいっ」
「ごめんなさ〜い!」
私達は急いで売店から離れ、廊下側に移動した。
 確かに、そのデジモンは……昨夜会ったロップモンとは違うみたい……ええっと……?
「は〜い♪ ロップモンと僕は、どこが違うでしょ〜か?」
 クイズ番組のようにそのデジモンが質問すると、アイちゃんとマコトくんは
「体の色! 模様の色も!」
「頭の角の数!」
 と。ハイ!ハイ!っと手を上げる。
 そのデジモンは満足げに
「正解でーす!」
 と、かわいい小さな手を叩く。
 体の色……そういえば、このデジモンの色はアンティラモンのそれとは違う。アンティラモンがロップモンの姿になった時は、体の色が似た配色だったから違和感は感じなかった。
「正解した人はじゃんけんしてね♪ 勝った方には秘蔵の……ベルゼブモンの隠し撮り写真をプレゼント!」
「何……!?」
 そんなことを言い出したので、私はとても驚いた。
 アイちゃん、マコトくんも驚いている。このデジモンがロップモンにそっくりの姿だから警戒することもなくクイズに参加していたけれど……。
「ベルゼブモンの隠し撮り写真だなんて……怪しい! どうしてそんなものを……」
 アイちゃんは相当驚いているし、マコトくんはアイちゃんをかばうように一歩前に出る。
 私は……ふと、気づいた。
「もしかして、ベルゼブモンと同じ大学に通っているんでしょう?」
 そう訊ねると、そのデジモンは
「はーい! あったり〜♪」
 と、その場でくるっとかわいくポーズを決める。
 私達は、ほっと胸を撫で下ろした。
「じゃあ、大丈夫そう……」
「モーマンターイ♪」
 陽気な性格らしく、アイちゃんにどこからか出した封筒を渡す。本当に隠し撮り写真が入っているらしい!
「本当に……?」
 それを手にしたアイちゃんの顔ったら! アイテムゲットしたって感じ!
 ところが、
「留姫から離れて――!」
 いつのまにか現れたレナモンが、そのデジモンに飛びかかった!
 かわいいデジモンは、トーンッと身軽にかわして逃げる。
「わーっ! やだな、レナモンッ! 落ち着いてよ〜!」
「留姫に近づいて、何か企んでいるのか!」
 レナモンがそう声を荒げるので、私達はぎょっとした。
「もしかして危険なデジモンなの!?」
 私が声を上げると、その小さいデジモンは思い切り悲しそうな顔をした。
「冗談でしょ! こんなにかわいい僕になんてこと言うんだよ! 違うよ〜! 代わりにボディガードしてあげていたんだよ〜!」
「嘘をつけ!」
「本当だよ〜!」
 二人が追いかけ合う。けれどもすぐに先ほどいた売店から店員さんが飛び出してきた。
「バトルはしないで下さい!!」
 と大声で注意をする。
 レナモンも、そのかわいいデジモンも、
「すみません……」
「ごめんなさい……」
 と、バトルを止めた。
 けれど、即座にかわいいデジモンは
「レナモンのせいで怒られたじゃないか〜」
 と、やっぱりかわいく頬を膨らませた。
 レナモンはムッとした顔で、
「そっちこそ……」
 と文句を言う。
 私は疑問に思った。
「私のボディガード? いつのこと?」
 そう訊ねると、かわいいデジモンは慌てた様子でとぼける。
「ええっと……何の話?」
 レナモンは私に、
「留姫はずっとテリアモンと一緒だったんじゃないの?」
 と、きつい言い方をする。
「ずっと一緒に? それ、本当? いつから? 全く気がつかなかったわ!」
 驚いて、テリアモンを見つめた。
「ええと、アイちゃん達の後ろについて行って……」
 人懐っこくアイちゃん達に話しかけるので、アイちゃん達は困った顔をしている。
「そんなこと言われても……気がつかなかった……」
 テリアモンは悪びれずに大きな耳を広げて、ふわりと浮き上がった。
「うん、こっそりついて行ったんだもの。気づかれたら困るよ〜。一緒にお昼食べてもいいでしょ?」
 と、さっさと病室に向かう。
「あ、待って……」
 レナモンが止めるのと同時に、看護師さんが、
「スピードを出して廊下を飛ばないで下さい!」
 と! テリアモンはまた怒られてしまった。



 アリスが待っている病室に戻ると、アリスはもちろんとても驚いた。
「え……あの……?」
「初めまして! 僕はテリアモン! おじゃましまーす」
「初めまして……。」
 テリアモンはアリスに挨拶すると、レナモンに
「僕にも席、ある?」
 と、全く悪びれずに訊ねる。
 レナモンはムッとしながらも、テリアモンが座る椅子を用意する。
 私達もさっき座っていた椅子にそれぞれ腰を下ろした。
 アリスが
「レナモンさんの友達なの?」
 と訊ねると、
「ドーベルモンとも友達だよ〜」
 テリアモンは、そう、のほほ〜んとのんびりした話し方で答える。
「ドーベルモンとも?」
「そうだよ〜」
 レナモンがすかさず、
「隠し撮り写真を勝手に配るな!」
 そう、テリアモンをたしなめる。
「隠し撮り?」
 アリスがとても驚いて、アイちゃんは顔を真っ赤にしている。アイちゃんはまだ、封筒の中身は見ていない。
「配っているつもりはないんだけれど〜。フッフッフ〜♪ レナモンの隠し撮りは今持っていないから、安心してよ〜」
「……表に出ろ」
「うわ〜、やだな、レナモンってば〜」
 テリアモンは、にやにや!
 レナモンは、イライラ!
 私の知らないレナモンの姿が目の前で展開するので、なんとなく私は両手の親指、人差し指でフレームを作ってそこから覗いてみた。
「留姫?」
 不審そうなレナモンの声に、私は
「なんでもないっ」
 と、すぐにそうするのを止めた。ほんと……ケータイでいいから、撮っておきたい……。レナモンが怒ると思うから、やらないけれど。
「さっきの話の続きだけれど、ボディガードってどういうこと?」
「そのままの意味だよ。家からずっと僕がボディガードしていたの」
 話を聞いてみると、テリアモンは朝からずっと、私達と行動を共にしていたらしい!
「家から? ええー? そういえば……洗面所のタオル! それに……鏡が気になった時、もしかしたら……鏡越しに見えたのかも! ――ん? ちょっと待ちなさいっ!!」
 ふと、私は、椅子から勢い良く立ち上がった。
「私が着替えた時はっ! 覗いていたなら、許さないからっ!」
 テリアモンはふるふると首を急いで振る。
「その時は台所にいたよ〜。アイちゃんが心配だったから〜。気づかれていないみたいだから、このまま隠れていようかなって思ったんだけれど。一人でお昼食べるのはつまらないからね〜」
 そう言い、テリアモンはイチゴジャムパンの袋を開ける。
「頼まれてもいないのに、ボディガードだなんて……」
 レナモンは不満そう。
「でも、どうして私の家に?」
 私は椅子に座り直しながら訊ねた。
 テリアモンは、のほほんとした口調を止め、真面目な顔で、
「頼まれたの! 留姫の家の様子を窺っているデジモンがいたら、って、ロップモンが気にしていたんだ……」
 話を最後まで聞かず、レナモンは即座にケータイをかける。
 テリアモンは
「レナモン、ひどーい! 僕のこと信用していな〜い!」
 と頬を膨らませているけれど、イチゴジャムパンを食べている。
 ロップモンとすぐに通話が繋がったらしく、話し始めたレナモンはやがて、
「そういう意味では頼んでいない、そうだ」
 と、そのケータイをテリアモンに差し出したので、テリアモンは激しく咳き込んだ。
「ええ〜?」
 ケータイを受け取ると、
「もしも〜し。…………ええっ? え〜? でもぉ……いたよ! ――――うん……うん、後で……」
 と、手短に通話を終えた。
 ケータイを受け取りながら、レナモンは
「『いた』? 誰かいたの?」
 と、テリアモンに訊ねた。
「うん、まあ……嘘じゃないよ。でも、僕の知っているデジモンかもしれないから、本当かどうか、自分で確認したいんだ」
 と言った……!
「テリアモン、これは遊びじゃないんだ。ロップモン達に全てまかせたほうがいい」
 レナモンは諭すように言う。
「じゃあ! レナモンだったら、どうする? もしも……友達が重大な事件に関わっているかもしれないと感じたら?」
 そう、テリアモンはレナモンに問いかける。今までの口調とは違い、真剣そのものだった。
「それは……」
「モーマンタイ! 僕だって、退き際ぐらい解るから、危険そうならちゃんとロップモン達を頼るよ。でも……もうちょっと、待って……」
 そう言って、それからは――先ほどののんびりした口調で、私達に話を合わせようとする。
「そう……解った」
 レナモンがそれ以上は何も言わないので、私達も追及しないで、他の話をした。
 テリアモンの話は面白かったし、レナモンは何度もからかわれた。けれどもそれは、友達同士のコミュニケーションという感じだった。
 ――同じ大学……。大学に通う時のレナモンってどんな感じかしら?
 私は羨ましくて……レナモンと一緒にいられる残りの夏休みのことを、ぼんやりと考えた。夏休みが終わったら、こんなに一緒にはいられないもの……。



 お昼を食べ終わって少しゆっくりしてから、テリアモンは帰って行った。
 私達は車椅子にアリスを移して、マスターのお見舞いに行った。
 マミーモンさんはいなかった。マスターの知り合いのデジモンが来ていて、マスターが戻って来たら少し話をして、一緒に帰ったらしい。
「誰が来ていたの?」
「昔の、DNSSにいた頃の知り合いですって。人間の姿でスーツを着ていて、『関東支部』で偉いそうよ! 色々聞かれて……恥ずかしかったわ」
 樹莉は疲れているみたいだったので、私達は挨拶だけしてすぐに帰ることにした。
「ええっ、すぐに帰らないでよっ! 私は大丈夫よ?」
「でも、無理しないで。また来るわ。樹莉まで倒れたら困るでしょう?」
 それから私は、
「また明日来るから」
 と、レナモンとも約束した。レナモンは小さく頷くと、私から視線を逸らした。
「……?」
 なんとなく気になる。まだテリアモンと一緒にいたこと、怒っているのかしら? ……姿が見えない相手に気づけだなんて、私には無理だもの。期待しないで欲しいわ……。



 病院を出ると、まだ暑い日差しが照り付けている。
 アイちゃんは来る時よりずっと元気になっていた。良かった!
 昨日、ママと歩いた道を、三人で歩いて地下鉄の入り口を目指す。
 ホームに滑り込んで来た電車に急いで乗ると、たまたま空いている車両だったみたいで、すぐに座れた。私、アイちゃん、マコトくんの順。
 揺られながら、マコトくんが、
「お姉ちゃん。あの事……言ってもいいんじゃない?」
 とアイちゃんを促した。アイちゃんは
「だから、うるさいったら!」
 と、またマコトくんを怒る。
「『あの事』って?」
「気にしないで下さい!」
「ベルゼブモンには秘密にしたいんでしょう? 約束するわ。絶対に内緒にする」
 私はそう頷いた。マコトくんも身を乗り出すように
「今までばれなかったんだから、これからも絶対にばれないよ!」
 そう、言った。
 私は首を傾げた。
「今まで? そんなにずっと内緒にしていたの?」
「あの……」
 アイちゃんが恥ずかしそうに私を呼ぶ。ちょっと体を傾けると、アイちゃんは
「私……友達に頼まれて、チアやっているんです」
 こっそり教えてくれた。
「チア? ……………………えええっ!」
 私は大声を上げそうになった。慌てて小声になる
(すごいじゃない! チアリーディングでしょう? 跳んだりする、あれでしょ!)
(はい。だから……ベルゼブモンが何かを秘密にしたいならしかたないなって思います。私にも秘密にしたいことあるから……)
 恥ずかしそうなアイちゃんに、私は呆れた。
 ベルゼブモンの退化した姿がどうかは知らないけれど、アイちゃんがチアやっているって知ったら、ベルゼブモンはそれこそ、顎が外れるぐらい驚くと思うけれど……!
「うん、解った。内緒ね。――でも、なんで内緒なの? チアって、かっこいいじゃない!」
「それは……だって、恥ずかしいから……。それに……あの……」
 アイちゃんは耳まで真っ赤になっている。
「うーん……まあ、私も気持ちは解るけれど」
「本当ですか?」
「レナモンって、どういうタイプが好みか想像も出来なかったし、彼女いたらどうしようって思ったし……」
 そんな話がスッと口から出たのは、アイちゃんが年下だから?
 アイちゃんが急に、私の右手を両手で握り、
「そうですよね! やっぱり、彼女いたら?とか思いますよね! 私もそうだったんです!」
 と言った。
 マコトくんが呆れた顔で、
「そういう女子だけの話は、僕がいない時にやってよー」
 と文句を言ったので、アイちゃんと私は小声で笑った。



 途中の駅でアイちゃん達が乗り換えのために降りた。またケータイで連絡すると約束して、私は一人、地下鉄に揺られて家の最寄駅に着いた。
 地上に出ると、歩き始める。特にコンビニで買うものも無い……と考えながら歩くうちに、すぐに、私は立ち止まった。
「……」
 誰かがついて来ている気がする。気のせいかしら?
 少し怖くなりながら、私はなるべく普通の速度で歩いた。
 ――やっぱり、誰かがついて来ているみたい?
 心臓の音が大きくなるのが解った。家まであともうちょっと歩かなくちゃいけないのに……!
 どうしよう……まさか、テリアモン? でも、違うと思う……。
 もう少しで家、という時になって、我慢出来なくなって私は走った。50メートル走は得意じゃないのに!
 無我夢中で走って、ぜいぜい息を荒く吐きながら、私は鍵を取り出して玄関を開け、急いで閉めた。鍵を掛ける。
 すぐに、トントンッと玄関を叩く音がして、跳び上がった。
「留姫……ごめん」
 声を聞いたとたん、私は驚いた。
「レナモン?」
 ガラスをはめ込んだ引き戸越しに、
「ごめん……驚かせて」
 と、申し訳無さそうなレナモンの声がやはり聞こえる。
「どうして?」
 私は急いで鍵を開けた。
 さっきまで一緒にいたのに。何か急用? 何があったの……?



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 あとがきです。

 久しぶりに第3部本編の続きを掲載します!
 数えてみますと、約2年4〜5カ月ぶりです。その間何をしていたかというと、番外編の更新をしたり、オフ活動したりです。ずいぶんお待たせして本当に申し訳ありません!

 遅筆もいいかげんにしてくれと思われているかと思い、夏コミ終わったら続きを書こうと頑張ったのですが、書き終らなくて、ひーひー言ってました。
 第3部7は途中まで書いていましたが、その後に放置していたので、読み返すとなんだか文章が繋がらない。
 手直しするうちに、その前に掲載していた第3部6も変だと思えました。
 書き直しを重ねて今回の掲載になりましたが、誤字はないと思いたいです。あったらごめんなさい!
 もう、正直に言うと、全く今回の話は自信はないのです。
 けれどもこの「精一杯がんばりました!」をお届けします。
 このままだと一歩も進まないうちにサイト閉じちゃいそうですし。
 書けないなら閉じてしまうしかないじゃない!とこの数週間は悩んでました。
 書けたんだから、次も書けるはずです。たぶん。



 ところで、第3部7で留姫の両親の離婚について少し書きましたが、テイマーズのアニメを見たことがない人がこちらを読まれていることもありますので少し説明します。
 留姫の両親はアニメの設定では「幼い頃に離婚した」。映画「暴走デジモン特急」では幼い頃の留姫と父の姿が少し出てきますが、その留姫の姿から幼稚園年少ぐらいかと思いますが、それぐらい幼い頃です。
留姫は父を慕っていた、と映画では描かれています。
 今、あらためて両親がなぜ離婚に至ったのかと考えると、両親の不仲というよりは、家族という繋がりが切れたのかも、と思えています。
仲がひどく悪い、DVがあったとかそういうわけではなく、母は仕事で家を空け家事をすることがほとんどなく、父も仕事をしていて、留姫が生まれる前辺りから母は実家に帰り留姫を産みますが、そのまま実家にいて留姫を留姫の祖母に預けながら仕事を再開した・・・とも考えられます。
父はたびたび留姫の面倒を見てくれていても、離婚に至ってしまったのかもしれない、と。
 実際はどういう設定なのか解りませんが、そんなことを想像しました。
 アニメでは小五でも、『皐月堂』では高一です。留姫は悩み、母を怒り祖母から諭されることもあったと思う……と、いろいろここで書くのは今後のネタばれになるのでやめます。
 そんな私なりの考えがある、というわけです。



 かれこれ6年も書いてますね、『皐月堂』!
 相変わらずの遅筆ですが、気長に待っていただけると嬉しいです(^_^)/
 (2012.9/11 茜野永久拝) 


 追記:
 今回、アイちゃんが秘密にしていたことを書きましたが、ベルゼブモンがアイちゃんと出会った頃に身軽だと驚いたのはそういうわけです。
 当初はチアだけを考えていましたが、身近に体操経験者がいて話を聞いてみて、器械体操を前提に考えてみました。
 今まで書いたことのある話に出てくるアイちゃんとは少し違った感じにしたかったのです。

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