短編小説
10
出会ってから気付けば丁度一週間経った。その間は相変わらず、二人ともぎこちない雰囲気が漂うなか、ちょっとはお互いを意識していた、そんな一週間目の朝である。
春「なんだぁ…新聞の勧誘で遊園地のチケット貰ったの?」
美「うん、なんか貰ったって言うより押し付けられた感じ…」
あの新聞屋は毎度の事だ。家に来ては断られ何かしらチケットを渡して帰っては1ヶ月経ってまた来る。それの繰り返しをしているから遊びに行くとき何処に行こうかと迷うことがあまりないな。
と言うか新聞屋はそんなにまでして家にとってもらいたいわけなのだろうか謎である。
春「しかも1日フリーパス」
そこまでして何の意味があるのか、こっちとしては有難いから諦めるまでとってやらないことにしようか。
美「でもそれ期限が今日までなのよね」
確かに期限は今日までみたいだ。そうチケットに印刷されている。
春「勿体無いし、行くか?」
美「うん…」
ちょっとだけ美幸の顔が笑った。やっぱりこいつは可愛いやつだな。
こうして俺達は遊園地へと行くのであった。
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