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大空に抱かれて 8



子供達の話しを聞いて…
何となく情景が頭に浮かんで来た…



和食ならば、
恭弥さんは自分でもある程度の物は作れる人だけど…

きっと、子供達から
『休日の朝は和食以外のメニュー』
だと聞いて、戸惑ったのだろう…






休日でも何でも…恭弥さんの朝食は年中和食。

でも、子供達には…
色々なメニューのものを作ってあげたくて、
時間に余裕のある休日の朝は
大人と子供のメニューは全く違う物を作っている。

だけど…
恭弥さんに、その事をわざわざ話した事は無かったので、
初耳できっと戸惑ったのだろう…。







昨夜も今朝も恭弥さんから連絡は無かったけれど、
どうやら…少々、大変な思いをしたらしい…

そう思い、今度は急いで夫の姿を探す…
が、リビングにもダイニングにもキッチンにも…お庭にも居ない。

という事は、奥座敷か書斎か…寝室辺りだろうか?







何となく、一番居そうだと…
そう感じた書斎に一番に向かい、ドアをノックするが返事は無い。

ココではないのかな?と思いつつ、
確認の為にドアを開けて中を確認すると…


お気に入りの椅子で、
…ぐっすり眠り込んでいる…恭弥さんの姿が目に入った。





どうやら読書の途中だったようで…
開いたままの本が、お腹に乗っている。

大き目のゆったりした黒い椅子は、
そのまま寝込んでしまっても、
それほど身体に負担の掛からないタイプのものなので…
気持ち良さそうに寝ている。



…元々、良くお昼寝をする人だけど…
きっと今日は、それ以外にも…
慣れない家事をした事による疲れもあるのだろう。

音にも気配にも、とても敏感な人なのに…
全く起きる様子がない。




起こしてしまうのは、申し訳ない気がして…

寝室から綿毛布を持って来て、軽く上からかけて、
そのまま…
お夕飯の準備が出来る頃まで、休んで貰う事にした。






恭弥さんが、干してくれたらしい洗濯物を取り入れて畳み。
花壇の水遣りを済ませた後は…
キッチンでお夕飯の支度をし始めた。



今日は…恭弥さんの好きな物をたくさん作ろう!


そう思って張り切って作る事にした。








++++++++

++++++

+++






……!っ……。






……しまった!!……


すっかり、寝込んでしまっていたようだ…




気が付いた時には…
窓の外が薄暗くなって来ており…焦って飛び起きた。




…が、…ん?


軽い綿毛布がパサリと落ち、それに目をやる。

僕が寝ている間に、誰かが毛布を掛けてくれたようだ。



と、そこまで考えた所でハッとした…。

大急ぎでキッチンに向かう。







急いで向かう途中で、美味しそうな匂いがして来た…


…これは、僕の好きなメニューだな…











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あきゅろす。
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