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大空に抱かれて 3



意気込んで、朝食を作ろうとしたのは良いが…

普段から冷蔵庫を見る事が少ないし、
僕が料理をする事なんて、滅多にない…。


優子が、風邪や怪我で寝込んだ時ぐらいだろうか?

…という事で、
何がどこにあるのかさえ不明だ…





全く、面倒な事この上ないな…。

そう思いつつも
別に朝食のひとつやふたつ僕だって普通に作れるんだ…
“そこで、よ〜く見てなよ?”と思いつつ、
4人分の朝食を作ってダイニングテーブルに並べたのに…

三人の子供達は、何故か不満顔だ…




…この僕が、わざわざ朝食を作ったというのに

一体、君達は…

何が不満だと言うんだい?







憮然とした面持ちで…

「…何? …何か不満があるんなら、言ってみなよ。」

と促すと…



「…いや、別に…、何も無いよ。」 

と、プイッと横を向いて、答えようとしない拓弥。





横から真衣が、少し申し訳なさそうに…小声で言う。

「パパ…、あのね…」
「ホントはね、ホットケーキとかサンドウィッチとか…ワッフルの日なの。」



((…?…))







真衣の言った意味が解らず、
疑問顔の僕に気が付いた、長男の政紀が解説をしてくれる…


「今日は…学校が休みの日なので、和食じゃないんだよ。」
「母さんは…休日の朝食は、何時もの和食じゃなくて洋食を作ってくれるんだ。」


「パンや、フレンチトーストとかワッフルとか…そんな物と…」
「オムレツやスクランブルエッグとかの卵料理を一品と…」
「ハムかソーセージかベーコンなど。」

「それにサラダ一品と…」
「果物と野菜を半分づつ入れた母さん特製のフレッシュジュース。」
「…が、基本系かな。」







「………。」


…そんな話は、聞いた事がない。

休日の子供達の朝食は洋食だなんて、…初耳だ…





僕は年中、朝は和食派だ。

つまり休日の朝は僕達夫婦と、子供達の食事内容を変えていたのか。




休日でも、何時もの時間に起きる子供達に比べ、
僕は少し遅く起きるし
そう言えば…子供達と一緒に食べる事は、滅多にないな。

…だから、気が付かなかったのか。





「兎に角、今日は僕がこれを作ったんだ。」
「この食事に文句があるなら…食べなくて良い。」

そう、憮然とした顔のままで言うと…





真衣が慌てて…

「…食べますっ!」
「パパが作って下さった朝食…美味しそうです!」

とすかさず言い。





続いて、政紀と拓弥も…

「食べるよ…。」 



「…別に、コレを食べないなんて言ってないよ。」

と、あまり可愛くない返事をしたが…、


まぁ…僕は大人だし、ココは黙ってやる事にした。







で、結局…かなり珍しい事に…

子供達三人と僕の四人で…朝食を食べるという体験をした。









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あきゅろす。
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