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大空に抱かれて 13





…あの…拓弥が。


何かと僕に反抗し、ライバル心剥き出しの…あの次男が。




あんな事を言うなんて、初めての事だ。
一体、どうしたのだろうか。

拓弥なりに、今日の僕を労わったつもりだろうか?




心の中に…暖かいモノが拡がる。





今日の苦労が…何でもなかった事のように思えて来た。

幾分足取りも軽く…
優子が準備を整えているであろうダイニングに向かう。










準備中のテーブルの上は、僕の大好物で一杯だ。

どれもこれも美しく盛られていて美味しそうで…
なんと豊かな食卓だろうか。



ニコニコしながらテーブルの上を整えている優子を見て…
ごく自然に笑みが零れた。

…こんなのをきっと…
“幸せ”とか“幸福”というのだろうな。





優子が何時も…
『私は世界一の幸せ者です』と言っているが…
その気持ちが…少し分かった気がする。








間もなく子供達も来た。


真衣がテーブルの上を見るなり…

「わぁ〜!」
「今日はパパの大好きなメニューばかりです〜!」

と叫び…




政紀も…

「…ホント、凄いね…」

と言いつつ笑っている。




少し遅れて来た次男の拓弥は…
無言で、しれっと席に着いた。







お茶を入れて各自に配り、最後に席に着いた優子が…

「…お待たせしました。」
「では、一緒にお夕飯を頂きましょうか。」

と、ニッコリしながら言えば…





「「「…いただきます!」」」



と、明るく元気な子供達の声が…ダイニングルームに響いた。








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