[携帯モード] [URL送信]
大空に抱かれて 10




普段の僕は…
この並盛の秩序として、
並盛の風紀を守る事に全力を尽くしているが…

同時に…
僕の家族である、妻の優子と三人の子供達も守っている。



『優子や子供達の為にも…』
『並盛の秩序は何がなんでも僕が守り、維持する。』

そう、心密かに思っている訳だが…




…そんな風に『外で闘う』僕を、
妻として支えつつ、優しいオーラで包むように…
『優子が僕を守ってくれている』のかもしれない…

と、ふと…そんな事を考えた。







この僕が…誰かに『守られている』なんて…

今まで考えた事もなかったし、
これが他の相手であれば、ムカつくのだが…
彼女が相手であれば…別。


…感じるのは、心地良い安心感とか安らぎ…
そんな風に表現できる感情。








優子は…なんて不思議な人なんだろうか。

今の僕が…ここまで穏やかに暮らして行けるのは、
間違いなく彼女のお陰だ。







彼女を含め、女性達は… 一見、とても弱く見える。

確かに力は弱いのだが…精神的な強さ、心の強さは別だ。


女性達を見ていると、時々…
とても大きく強く感じる事があるが

それは…「何かを守ろう」としている時に、
特に強く感じるように思う。


例えば、子供を危険から守ろうとしていたり…
疲れた男達を支えたり、癒そうとしている時など…
…あれは…
つまり、男達を守ろうとしているのだろう。







女性達には…柔らかく優しい強さがある。

そう、彼女達は…柳の木のように、しなやかで柔らかい。

柳の木は、枝が柔らかく直ぐに曲がるので…
逆に簡単には折れない。


固い幹の木であれば、
ポキッと簡単に折る事が出来るのに、柳は折れない。

…無理に折ろうとすれば、傷は付くのだが…
簡単には切れてくれない。


「柔らかい」という事は…
そんな“強さ”があるという事だ。




きっと…それが彼女達の強さの秘密なのだろう。

柔らかく柔軟である事で…
時には、しぶとさとも感じる強さを発揮する。





男のように…プライドだ誇りだとワーワー言わないが、
心の中に、一本しっかりした芯を持ち…
その譲らない芯以外の所では、優しく柔軟に対応してみせる。

譲れる所をアッサリと男達に譲ってくれる、柔軟さと優しさこそが…
女性達の強さの秘訣のような気がする。










[*前へ][次へ#]

10/16ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!