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Shufful Lover!


それを見て、アキラを除く全員が感嘆の声を上げる。

「美味そー!」「凄ぇな」「流石っすね」

と、そこで栄純が、ポカンと隣を見つめる。同様の表情で、鳴も斜向かいを凝視した。

視線を感じて顔を向けたのは、舜臣。

「……何か、俺の顔についてるか?」

「いや、違うけど……それ、何だ?」

舜臣の問いに、栄純が恐る恐るといった感じで、彼の目の前を指差した。

舜臣の前には、深い器に盛られた斜切りになっている魚肉ソーセージ。

「見て判らないのか?」

「いやいや、判るんだけどさ!何で山盛りのそれ!?」

真顔で首を傾げる舜臣に、鳴がツッコミを入れる。
それに合わせて、栄純も何度も頷く。

気持ちは分かる、とばかりに視線を交わし合う雅功、アキラ、御幸。

しかし舜臣は、意味が分からないとばかりに、淡々と答える。

「俺の好物だ。アキラが気を使って用意してくれたんだが、それがどうかしたか?」

――何はともあれ一頻り騒いだ所で、御幸が立ち上がり、

「さて、料理と酒が揃ったんで、まずは乾杯と行きましょうか」

と、缶ビールを掲げる。

「何で一也が仕切ってんのさー?」

「だったらお前やれよ。つか誰かが仕切んないと、進まないだろが」

鳴の野次に、御幸が眉を顰めて言い返す。

そこへ栄純が一言。

「御幸で良いんじゃん?その方が早いし」

確かに、と頷いたのは、意図はそれぞれだが静観していた他の3人。

鳴は口を挟みたかっただけなのか、直ぐに黙ってしまったので、御幸は改めて缶を掲げた。

倣う様に全員が缶を掲げ、御幸の乾杯の声に続けて全員が復唱し、週一の飲み会が始まった。



「ありゃ?!酒、無くなっちまった!」

宴もたけなわの所で、冷蔵庫を開けた御幸が声を上げた。
始めは満杯だった冷蔵庫は、食材や調味料などを残して酒はすっからかんになっている。

よくよく考えてみれば、栄純以外は量に差はあれど、イケる口なのだ。
冷蔵庫の容積を考えて、見積数量を最大ではなく最小にしたのが原因だろうな、と買い出し組は思った。

「皆、まだ飲めるっすよね。俺、買って来ます」

と、御幸。すると舜臣が、

「ならば、俺も行こう。人手があった方が良いだろう」

と、立ち上がった。

さんきゅ、と答えながら、御幸はこっそりと、

(出来れば、沢村に付いて来て貰いたかったけど)

と、ベッドに視線をやった。

そこには、丸まって完全に寝入っている栄純がいた。
30分程前に、座ったまま舟を漕いでいたので、アキラが雅功に頼んでベッドを借りたのだ。

寝顔を見れたのは嬉しいんだけど、と御幸は小さく溜息を吐いて、舜臣と共に玄関へと向かった。

同時にアキラが、

「じゃあ俺は、空いてる皿を片付けちまうな。で、追加で何か作るよ」

と、空になった皿を集め始める。料理が残り僅かの皿は、乗っている物を別の皿に移して片付ける。

それを手伝おうとした雅功を、アキラは制した。

「原田は良いって。場所の提供してんだし。成宮の面倒見てろよ」

最後は余計、と鳴は内心ムッとしたが、雅功と2人っきりになるチャンスと捉えて、唇を尖らせるだけに留めた。

アキラはそれに気付かない様子で、皿運びに数回キッチンを往復すると、部屋とキッチンを区分する引き戸を閉めた。



引き戸が閉まる音に、栄純の意識が反応した。
と言っても急に覚醒した訳ではなく、深く微睡んでいる状態であるが。

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あきゅろす。
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