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Shufful Lover!

と、栄純は小さく口元に笑みを浮かべる。
悩んでいるようにも、泣きたそうにも、鳴には見えて、少し動揺した。

何でそんな顔すんの?と聞きたいと思ったが、多分話さないだろうな、と考えて、

「そっかぁ。じゃあさ、そーゆーヤツが出来たら教えて。オレ、協力するからさ」

とだけ言い、小指だけ伸ばした手を、栄純に向けた。

栄純がキョトンとしていると、鳴はホラ、と小指だけを折り曲げる仕草をする。

恐る恐るといった感じで栄純も小指を伸ばし、鳴はそれに自分のを絡めた。

「ゆーびきーりげーんまーん、ウソ吐いたら針千本のーます♪」

「えっ!?勝手に決めんなって!」

鳴の歌に、栄純がつっこむ。
しかしそれを無視して、鳴は「指、切った♪」と絡めていた小指を放した。

「はい、これで決定。忘れるなよー?」

そう言って、鳴は栄純に向けて、ニヤリと笑ってみせた。

栄純は大袈裟なまでに溜息を吐いて、ストローの包みを破った。



店を出て、駅に向かう途中で、鳴が思い出した様に「そういえば、」と呟いた。

「次の集会場所、雅さん家になったから」

「また原田さんの部屋でやるのか?」

鳴の言葉に、栄純が首を傾げる。
以前雅功の部屋に集まった事があったが、男6人もいるとやや狭く感じたからだ。

しかし鳴は一つ頷いて、

「そっ、また雅さん家。雅さんには了解済みだし、他のヤツには今夜メール送るつもり」

と、手にしていた自分のケータイを、栄純の目の前で左右に振った。
付いているストラップが、カチャカチャと音を立てる。

「これで大手をふって、雅さん家に入れるんだよねー♪」

そう言って笑みを浮かべる鳴に、栄純は場所の選択に納得した。

単に、鳴は雅功の部屋に行きたいんだ、と。今はゲーム上とはいえ恋人じゃないから、何のかんのと理由を付けているのだ。

栄純は鳴の嬉しそうな笑みが、何だか微笑ましく思えてしまった。
全身で雅功が好きだと言っているように見えて。

と、ふとあの人を思い出した。
もしかしたらあの人を追い掛けていた自分も、端から見たらこんな感じだったのかもしれない。

明日が楽しみ〜♪と弾んだ声を上げる鳴とは対照的に、栄純はギュッときつく目を瞑る。

けれど思い出してしまった面影は、色濃い残像として瞼に焼き付き、いつまでも消えそうになかった。

瞑った瞼をゆっくりと開いて、栄純は上を向いた。

滲む視界を擦ると、雲1つ無い夜空があり、明日は晴れるんだなあ、と思った。





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あきゅろす。
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