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Shufful Lover!

やっぱりな、とアキラは苦笑する。

彼の肩に頭を乗せて、栄純は既に寝息を立てていた。

あれこれと話し合い、栄純の遠征の事も含めて、最終的にアキラの家でDVD鑑賞をする事になった。

アキラがピックアップした数枚のDVDから栄純が選んだのは、博物館の展示物が動いてしまうというコメディファンタジーで、栄純らしいな、とアキラは思った。

が、試合と遠征の疲れからか、内容が半分も行かない内に、先程の状態となってしまった訳で。

余りに気持ち良さそうな寝顔をしているので、

(このまま起こさないでおくか)

と、アキラは判断して、肩からソッと栄純の頭を持ち上げ、自分は座っていたソファから降りた。
そして栄純の頭をソファへゆっくりと降ろし、下半身をソファに持ち上げ、仰向けに寝かせてやると、ソファの背凭れに置いていたブランケットを掛けてやった。



栄純が目をうっすらと開いた時、部屋が橙色に染まっていたので、夕方だと気付いた。

そして次の瞬間、勢い良く飛び起きる。
同時にアキラが、部屋に顔を出した。

「ああ、起きたのか」

「あああアキラさん、すいません!おれ寝ちゃって!?」

あわあわとパニックになっている栄純に、アキラは「良いから良いから」と笑い掛ける。

「疲れが溜まってたんだろ。DVDなら貸してやるから」

そう言いながら、アキラはDVDのケースを小さな紙袋に入れて、ソファに座り直した栄純に渡した。
栄純はそれを受け取りながらも、

「けど、折角アキラさんと会えたのに……」

と、シュンとした表情になる。
今日はアキラが夜からバイトなので、夕方までしか一緒にいられないというのに。

するとアキラは屈んで、手を伸ばして栄純の頭を優しく撫でる。

「あー……そんな顔すんなよ。また会えば良いんだし」

「でもおれ、明日からまた試合だし。アキラさんも忙しいみたいだし」

「ま、確かに。だけど会えない訳じゃないだろ?俺も時間を作るからさ。会えそうなら会おうぜ」

な?と顔を覗き込むと、栄純は素直に頷く。
アキラは微笑んでみせ、もう一度頭を撫でてやると、勢いをつけて立ち上がった。

「さて、そろそろ出掛けっか。駅まで送ってくから、準備しろよ」

「はいっす!あの、顔洗って来ます!」

そう言って栄純は、バタバタと洗面所へと向かう。
ドアの閉まる音を聞いてから、アキラは大きく溜息を吐いてしゃがみこんだ。

「……さっきの台詞、天然で言ってんだろうな。あー、ヤバかった」

あんな顔で、折角会えたのに、だなんて。

振られても振られても、栄純を追い掛ける御幸の気持ちが何となく分かってしまい、アキラはもう一度溜息を吐いた。


それと同時に、これがシャッフルの効果なんだろうな、と冷静に分析もしていた。

良く知らない相手でも、仮だが恋人というカテゴリーに入るだけで、相手の違う一面に触れられる。
その触れた一面が、自分にとって良い意味で琴線に触れたとしたら。

もしかしたら予想以上にヤバいゲームなんじゃないだろうか?と、アキラは今更ながら感じていた。

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