死神とダンス♪
23.【腐男子友の会】君の嘆きぃ♪
朝のHRも終わり、次の授業までの休憩時間、漸く俺は肩の力を抜くことができた。
そして、俺が一番気の許せる雪次(協力者)とゆっくり話す。
「忍、大変だったな」
「うん、でもみんな僕(←教室のため猫を被っています)を受け入れてくれたし、まずは一安心だよ。席も雪次の隣だから心強い」
俺の席は、窓側の一番うしろ。で、隣が雪次だった。
杉崎君(今の俺)は身長が160p以下のため黒板の文字が見えにくいが、どうせ勉強など教科書を見ればわかるし平気だ。
それにここは、誰もが一度は憧れるラッキー席。転校生ならではかもしれないが、嬉しい。
しかし、ここで新たな問題に気付くことになる。
雪次の前の席は、【腐男子友の会】だと気付いたのだ。………そして、これが意味することは…。←俺の斜め前の奴。
「小田桐君!これが、君の言っていた幼馴染君だよね!!聞いていたより、美少女…いや、美少年!しかも、クラスメイトをコンプリートする勢い!!何でこんな逸材を隠していたんだー!!」
「「………」」
あまりのテンションの高さに俺と雪次が沈黙していると、【腐男子友の会】君(名前知らない)は、いきなり立ち上がり、俺の手を握りしめたかと思うと、力の限りブンブンッ振り回す。
うぅーーー、身体までガックンガックン揺れて、何気に気持ち悪くなってきた。
それにいち早く気付いた雪次が、【腐男子友の会】君に「落ち着け」と、やんわり手を離させようとするが、【腐男子友の会】君は、雪次の声が聞こえていないのか、次々と俺に質問してくる。
「それで、副会長はもう落としたんだろうね!転校生の案内は、副会長がしたのだろう!?」
「う゜ぅーー、うぅぅん、雪次だった」
「何ーーー!!何てことだ、一番初めのイベントを小田桐君のせいでスルーしてしまうとは!?それでは食堂イベントをクリアして、もちろん、生徒会役員全員を落としたんだろうね!?」
なぜか【腐男子友の会】君は、初めの質問にがっくりしたのに、次は食堂のことを目をランランと輝かせて聞いてきた…が、俺の食事は雪次がすべて作っている。
俺はこの学園で、きっと食堂に行くことは絶対ないと言い切れる。
なぜならそれは…。
「学園に来たら、3食の食事は俺が作る。昼は弁当にするから、必ず一緒に食べよう」
これは、この学園に来る前に雪次から宣言されたことだ。
どうやら、病弱体で小食ある俺を気遣って…いや、雪次の『オカン』気質が現れた結果、こうなった。
それを【腐男子友の会】君に言うと、教室中に絶叫が響き渡る。
「何で萌え萌えイベントが一つも発生しないんだーーー!こうなったら、誰でもいい!この王道転校生、しのタンをこの場で犯してしまえぇーーー!!」
【腐男子友の会】君が叫んだ台詞に、クラスメイト達が凍りついたのは言うまでもない。
何となく、変なテンションを見せる【腐男子友の会】君が、若干、死神と被る気がするのは、気のせいだろうか?
ちなみに、【腐男子友の会】君の名前は、古市彦(ふるいち ひこ)君と言うらしい。←自己紹介してもらえなかったので、雪次に聞いた。
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