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死神とダンス♪
88.しのぶクンの決意ぃ♪

 ヒョウリとヨウスケは、そのあとすぐに俺達の側から消えた。

 ここにいてももう用はないと思ったのか、それとも、ただ単にゴウエンといたくなかったのか………たぶん、後者だと思うが、消えてくれたので、ゴウエンと杉崎君にどういうことなのか説明してもらう。



「忍があの馬鹿に迫られていた期間に、もしかしたら、本当の自分の死の原因に気付くかと思った。もし、そうなったらお前のことだ、芋づる式に自分の正体の打ち明けるかも?なんて思って、しのぶと相談して色々対策を練ってら、意外とそれに手こずった」

「やっぱり、俺の本当の死の理由を知っていたんですか…」

 俺の言葉にゴウエンからは「それは愚問だ。俺はこれでも死神だ」と、言われた。

 それにしても杉崎君。罪状3つをなしにする条件を全て使ってしまったら、転生するのが遅くなるのに…悪いことしたな…。

 雪次もそれを気にしているのか、これからしのぶはどうなる?っと、死神に問いかけていた。

「どうもこうもない。しのぶは転生しない」

「「はぁ?」」

 訳がわからず、雪次とユニゾンして、そして、同時に杉崎君を見る。

 杉崎君は、そんな俺達の様子に吹き出すように笑い。

「僕、これからゴウエン様の元で、死神になるべく修行をすることにしたんだ。人間に転生するのもいいけど、もっとこの世界を違う角度から見てみたい………なんて、思っちゃって…」

 そして、杉崎君は付け足すように、前はそんなことすら、できなかったから………と、死ぬ前を思い出したのか、切なく笑う。

 その笑いは、一生懸命生きていくことに必死過ぎて、周りを見ることなど考える余裕などなかったという意味なのだろう。

 それを考えると、死神になればそれこそ、色々な視点でものをみたりすることはできる。が、それには常に死が付きまとう。

 そんなこと、優しい杉崎君に耐えられるのだろうか?

 俺が不安そうに顔に出していると、それに気づいたゴウエンは。

「心配するな、これでも、しのぶは根性がある。しのぶは常に死と隣り合わせだったんだ、死者の対応もそこらのペイペイ死神(新人死神)より役に立つ」

 その言葉にホッとするが、隣にいる雪次のほうがあからさまに、はぁーーーっと、緊張が解けたよう顔をしていた。さすが、杉崎君のオカン。



 ちなみに、ヒョウリとヨウスケの死神に俺達がいびられていた時、杉崎君は死神になるための手続きが最終段階で、ゴウエンのみが何とか先に戻って来ることができたらしい。

 ゴウエン曰く、この手続きに手こずったのは、閻魔が裏で糸を引いているせいだ!!と、叫んでいたが、真相は俺達にわかるはずもない。


[後退〜♪][前進〜♪]

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