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死神とダンス♪
83.時間稼ぎぃ♪

「しのぶのことは、幼馴染としか見てない。しのぶとは『オカン』として接していたが、忍は違う。忍だから触れたい、忍だから笑っていて欲しい、忍だから………俺の側にずっといて欲しい。忍、好きだ。大好きだ。愛している」

 これは告白?と、思うよりも、雪次は最後に俺と同じように告白してくれていて…。

 【契約書】に書かれていた条件、身体と魂の融合は俺が気付かぬうちにされていた。

 俺は、それに気づかないまま、杉崎君の身体を拒否していたりして………本来なら、もっと早く健康体になれたのに無駄な時間を過ごしていたらしい。

 それにこんなことなら、倉吉に自分の正体を明かすこともなかったかも知れない。

 雪次が早く俺に告白してくれていたら…何て思わない。

 俺自身が臆病で意気地なしで勇気がなかったら、雪次に告白できなかったんだ。

 それにお互い誤解していた………お互い別な人が好きなのだろうと…。

 気持ちが通じたのに、さよなら………クスッ思わず笑ってしまったら、雪次が俺を力いっぱい抱きしめていて、耳元で囁いた。

「時間を稼ごう。あの陽気な死神(忍曰く、七三死神)が、忍の元に戻ってくるまで頑張るんだ。たぶん、あの人はこの展開を予想していたと思う」

 その言葉に、俺は目を見開くが、雪次は常にないほどの饒舌で次々言葉を発っする。

「今、あの死神がいないのは予想外だけど、きっと何かの対策は立てて帰って来るはずだ。大丈夫、オレは忍を離す気はない」

 その言葉とともに俺の背をひと撫でして、あの2人の死神が来ても、そう簡単に魂をやるなよっと、力強く言う。

 俺は、返事の替わりに雪次の背に回した腕にギッと力を入れた。



 さぁ、これから俺達は、死神との化かし合いをはじめよう!!

 それにしても、あの能天気な死神!!早く帰ってこーーーい!!






「それでは、時間です」

 どこから取り出しのか、懐中時計を手に持ち話しかけるグラサン死神。

 改めて、化かし合いの勝負に挑む2人の死神を見てみる。

 グラサン死神は、今はグラサンをしていて、服装は黒………ヤーさんに見える。

 なんて思っているけど、ヤーさんなら、武器は銃とか刃物でも刀だが、このグラサン死神の武器は大鎌で、明らかにヤーさんよりヤバ目な雰囲気をかもし出している気がする。

 それにうしろに控えている、グラサン死神の弟子も少年にしては、貫録があり、どこかの族の総長をしていますって、いってもいいくらいの鋭い目つきをしている。

 そして、一方の俺達は………ガタイがいい無愛想な雪次と超美少女(中身平凡)の俺。

 ………果てしなく、勝負にならない気がする。



「それでは、松下忍君。魂を狩らせて貰います」

 グラサン死神は、大鎌を振り上ようとするが、そこにすかさず、雪次が…。

「ちょっと、待って下さい」

 ピタッ。

「何です?」

 グラサン死神が振り下げようとしていた大鎌を途中で止める。

 ………ひえぇぇー、あともう少し声を掛けるタイミングを逃していたら、俺に大鎌が落とされていたよー。

 グラサン死神の大鎌の刃は、俺の首から数センチのところで止まっていた

「あなた達が、本当にこの地区担当の死神だという証拠がありません。それに、忍の担当死神が魂を狩るならまだしも、そんな信用(?)もおけない死神に忍の魂をやる訳にはいかない」

「もっともなお言葉です。それでは、まずは私がこの地区担当の死神だという証拠を…」

 その言葉に、うしろに控えていた弟子が、懐から見覚えのあるものを取り出し、俺達に渡す。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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