死神とダンス♪
81.2人の死神ぃ♪
扉を開けると鎌を持つ死神………でも、俺が知っている死神でない2人連れの死神がいた。
その死神は、1人は長髪で、サングラスをかけた男性(たぶん、いつもの死神と変わらない20後半くらい)。
もう1人は、スポーツマンタイプの短髪な少年(見た目15、16歳)。
着ている物は俺が知る死神と同じ黒スーツだが、もっている鎌が違う。
長さ的には眼鏡をかけた青年は、俺が知る死神と同じくらいの長い鎌だが、少年が持つ鎌は1メール弱との長さ。
2人は、俺を確かめると静かにこちらに向かい歩いて来る。
どういうことなんだ?
「どういうことだ?」
俺の心の声と雪次の声が重なる。
と、同時に俺はそれに驚き雪次を見る。本来、死神の姿は死者もしくは、俺みたいな半端者にしか見えない。
それが見えるということは、明らかにわざと見せているっと、思っていいが、なぜわざわざそんなことをする?
「身体は杉崎しのぶ、魂は松下忍で間違いありませんね。で、隣にいる方が、杉崎しのぶのお幼馴染…今は松下忍の協力者の小田桐雪次で間違いありませんね」
男性はサングラスを外し、俺達をじっと見つめる。
俺達は思わず、その無言の迫力に頷くものの、俺は、なぜ雪次にも姿が見せているのか?っと、質問してみる。
「もっともな質問です。今、この区間の担当を務めているのが私ですが、松下君の【契約書】を監視している………あなたの側にいつもいる死神から、何かあった場合、小田桐君にも姿を見せ、事情説明するよう要請を受けました」
ついでに、グラサン(いまは外しているが)死神のうしろに控える少年は、グラサン死神の弟子だそうで、気にしなくていいとのこと。
いや、それよりも気になることが…。
「俺の側にいた七三死神は、この場にいないのですか?」
俺の質問にグラサン死神は、首を縦に振りこの場にいないと教えてくれる。
俺を地獄に送る死神は、いつもの変な踊りを踊る死神だと思っていた…。
きっと、それなら、明るく逝ける………なんて、ことも考えていた。
急になぜか………いつもの七三分けの死神に会いたくなった…。
「なぜ、死神が忍の…オレ達の前に現れた?」
雪次の質問が、俺の心に棘が刺さる。
これから、グラサンの死神により、語られる事実。
………雪次、ごめん…。
こんな展開でさよならするんなんて………七三分けの死神にはわかったのかな?事情説明をしないで、地獄に行くことで逃げようとしていた俺のことを…。
でも、きっと七三分けの死神なら、緩いしゃべり方で俺に諭すように、雪次に最後の挨拶くらいして来い…なんて、背中を押してくれているのかもしれない。
「それでは、説明します」
「待って下さい!俺が説明します。俺から説明しなきゃならないから…すいません。雪次と話させて下さい」
グラサン死神の言葉を遮り、俺は頭を下げて頼み込む。
それに驚きを隠せないグラサン死神は、うしろの少年である弟子を見…弟子も頷くことで、「15分あげます。常に側にいますが、説明をしたら逝きます」と、サングラスをかけ、俺達の側を離れる。
俺は泣きそうになりながら、「ありがとうございます」と、また頭を下げ、雪次と向かい合う。
[後退〜♪][前進〜♪]
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