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死神とダンス♪
79.復讐劇第二幕ぅ♪A

「やぁあぁぁーーー!!」

 ザッシュッッ!!

 気合とともに、倉吉にスコップを切りつける。

 運動神経−100の杉崎君の身体。

 切りつけるというより倒れこんだというのが正しく、スコップは倉吉の肩口にかすっただけで、そのまま俺はスコップとともに転がる。

「ぎゃああぁぁぁ!!」

「忍!!」

 服が掠っただけで、大げさに騒ぐ倉吉と俺の奇行に驚く雪次。

 俺は転がった身体に無理やりカツを入れ、起き上がる。

 動作事態はノロいので、雪次は俺を止めるべく倉吉の前に身体を入れる。

「雪次、止めるな!!こいつだけは許せない!!俺が!俺が、どんな気持ちでこいつを庇ったって、こいつは何も感じないどころか、わざと俺のことを誰にも知らせなかったんだ!!」

「忍、止めるんだ………。こんな奴に復讐しても、忍が傷つくだけだ」

 そっと俺の両手を雪次は両手で包み込む。

 温かい………わかっている、こんなことしても、もう、松下忍の身体はない………でも、でも………。

「もう、いいんだ、忍。わかっているから…」

 俺の両手からスコップが落ちる。

 それと、同時に俺は涙が溢れるのを止められず、目の前にいる雪次にすがりつくように、わぁーわぁー泣き出した。

 雪次は、そんな俺の背をトントンッと、子供をあやすようにいた。

 まるで、「復讐はもう終わり」っと、言ってくれているように………。



 俺達のそんな様子を気にすることもなく、項垂れている倉吉…と、思いきや、倉吉は俺達を睨みつけて。

「お前達、忍の回し者だったのか、死んでも俺にまとわりつくとはっ!!忍は最後に何を言った(メールした)。お前に復讐でも頼んだのか!?名前が同じで気持ち悪くて、手を出さなくて正解だったな!!」

 いつも余裕な倉吉ではなく、今は殴られ歪んだ顔…醜悪だ。

 真実を話したらどうなるんだろ?苦しむ?それとも、狂うくらい驚愕の表情をしてくれるだろうか?

 俺にはここに留まれる時間がもうほとんどない。あと少しであの世行きだ。

 本来なら、このまま雪次に側で穏やかに逝くのもいいと思っていた。

 でも、これが、最大級の復讐になるのなら………。



 さよならだ、雪次。

 ………俺は倉吉に正体を明かし………地獄に逝くよ。


[後退〜♪][前進〜♪]

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