死神とダンス♪
74.倉吉の思惑ぅ♪
数分後、副会長さんは俺の頭を撫でるのを止め(俺の頭は若干グチャグチャ)、何やらキョロキョロし始めた。
はて?何かを捜しているのかな?色々迷惑かけたし、お手伝いでもしようかな。
「副会長さん、何かお探しですか?俺、今時間ありますし、協力しますけど…」
「あぁ、できれば一緒に探してもらえると…。でも、私の探し物は『会長』ですけどね」
はい、一発で居場所がわかります。
俺が部屋に帰れない原因の障害物(倉吉)は、副会長さんの探し物でした。
しかし、倉吉を捜してるっということは………今度はどれほどの仕事が溜まっているのだろうか?副会長さんも大変だな。
俺が微妙な顔をしていると、副会長さんは何かを察したらしく。
「もしかして、杉崎君のところかな?」
「はい、できれば引き取って………いえ、あの…」
「クスッ。わかるよ、すぐに私が引き取るから安心して」
副会長さんはそう言っていたずらっぽく笑い、俺にウインクした。
俺の部屋に向かう際、副会長さんから質問された。
「杉崎君のことは色々聞いて知っているけど、杉崎君の今の保護者は、確かかなり大きな会社を経営しているんだよね」
「はい。俺はあまり詳しくないんですけど、輸入品の家具など色々なものを販売している会社だそうです」
「そのことで、一つ言っておきたいことがあるのですが…」
副会長さんは、なぜ伯母さんの旦那さんの会社経営まで質問するんだ?
わからないままだが、素直に返事をしていると、何やら深刻に眉を顰めている副会長さん。
ちなみに、副会長さんが俺のことを色々知っているのは、俺が倉吉に迫る際、有利になりそうなことをベラベラ生徒会室で自分からしゃべっていたからだ。
今から考えると恥ずかしい…。
と、話しは戻って、副会長さんが眉を顰めるくらいの話しだ。真面目に聞こう。
俺達は足を止めて、人がいない階段踊り場で話し始めた。
「渡瀬会長の実家の会社は何をやっているか知っているかな?」
そりゃ、知っています。昔(死ぬ前)からの付き合いですから…。
ワタセ・フード・ジャパン、食糧の輸入品を扱う会社だったはずだ。
幼い頃は、海外の珍しいお菓子を貰い、俺達兄妹は争うように食べていた記憶がある。
昔のことはさて置き、副会長さんにそのように話すと。
「どうも、杉崎君を狙っているのは、そのためのようだよ。会長の実家の会社は今経営難で倒産の危機らしく、杉崎君の保護者さんの会社に目をつけたようだ。保護者さんの会社は家具だけではなく、食品も扱う大会社だからね」
えー、そんなにすごかったのか、伯父さんの会社………。
………て、へぇぇぇ!?何だとー!!く〜ら〜き〜ち〜、そんな理由で、俺の貴重な時間をぉぉぉぉーーー!!
殺す!今回ばかりは、マジで殺す!!
こんなことを考えていた俺の顔は、般若で………俺見ていた副会長さんは、声をたてて笑っていた。
[後退〜♪][前進〜♪]
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