死神とダンス♪
73.ウザキモぉ♪
「しの、食堂に行くぞ。付いて来い」
「しの、放課後はお前のために時間を空けてある。どこか行きたい場所ないか?行きたい場所がなければ、俺の部屋にでも来るか?」
「しの、夕食を一緒に食べに行くぞ」
「しの、―――−」
「しの、――――」
イライライライライライライラ(エンドレス)………。
ウザい!!キモい!!
何なんだ、倉吉のこのしつこさ!
俺のイライラが雪次にも伝染しているのか、雪次の眉間の皺が日々増えている気がする。
雪次は俺が倉吉に迫られるたび、撃退してくれる。
俺があからさまに嫌がっているのがわかっているので、俺の『オカン』である雪次が撃退してくれているのだが、何となく雪次が倉吉を追い返してくれていると………不謹慎ながら嬉しかったりする。
それにしても、倉吉どういうつもりなのだろう?
見た限り、セフレになれとか、身体を迫られるなどということはなく、【腐男子友の会】でも、疑問が飛び交っているらしい。
ちなみに、倉吉の親衛隊は俺に怒り心頭らしいが、【腐男子友の会】の圧力(?)で、俺に手が出せないようだ。
ほんと、【腐男子友の会】は、親衛隊をどのように押さえつけていることやら…。
しかし、倉吉の異常行動は予想外の人物によって、解き明かられることになる。
あと4日。
放課後、雪次はバレー部へ、俺はまっすぐ寮の部屋に向かおうと思ったのだが、数メートル先で扉の前で待ち構える倉吉を発見!!
方向転換して寮の中をうろうろしていると………前から見たことのある爽やかイケメン君と遭遇。
「こんにちは、杉崎君。久しぶりだね」
「はい、こんにちは、副会長さん」
爽やかイケメン君の正体は、副会長さんでした。
「どうやら、会長を追うのを諦めたようだね。この頃、生徒会室にも遊びに来なくて、寂しくなったとみんな悲しんでいたけど、私達は、杉崎君があんな…ゴホンッ、会長を追わなくなって、良かったと思っています」
「すいません、皆さんには迷惑をかけてしまいまして…。でも、俺もう会長とは恋人なんかになりたいなんて思っていませんから、だから、もう生徒会室には………」
本当に、生徒会の皆さんは良くしてくれた。
ストーカーまがいに倉吉を追いかけていたので、生徒会室にも必然的に訪れることになって、そのたび、生徒会の皆さんはお茶やお菓子など出してもらって…。
はぁ、今から考えるといつも忙しい生徒会役員に最大級の迷惑をかけていたんだなー。もう、日数もないし、茶菓子でももって一度誤りに行こうかな。
そんなことを考えていると、俺の頭を撫でる感触…。
これは、もちろん雪次とは違う感触で、今俺の前には副会長さんしかいない。
「えっと、副会長さん?」
「いつも小田桐君は君が落ち込んでいる時こうしていたから、同じことをすれば元気になるかと思ってね」
「………ありがとうございます。元気がでました」
素でビックリしたけど、温かい気持ちが溢れ、思わず微笑んでしまう。そうすると、副会長さんは、俺を猫が何かのようにずっと頭を撫でていた。
しかし、あとで考えてみると副会長さんは、どこで俺と雪次のそんな光景をみていたのだろう?って、疑問が。
[後退〜♪][前進〜♪]
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