死神とダンス♪
55.マメ柴ですぅ♪
パシッ!!
「雪次くんは、君をただの幼馴染としか思っていない!それなのに付きまとって………もう、これ以上、雪次くんに迷惑をかけないでよ!!」
俺は叩かれた頬を抑え、呆然とその台詞を聞く。
なぜ、彼にそんなことを言われなければならないのだろう?彼がバレー部のマネージャーだから?
でも、学園内では俺達のことを『美女と野獣』の仲良し幼馴染と認識され………はたまた俺の『オカンが雪次』と認識されていて、温かく見守れていたはずで………。
「何で?」
あ、思わず、素で聞いてしまった。
聞いた瞬間、マネージャー君(←呼び方定着)の目が吊り上る。
「そんなの当たり前でしょ!!もう、3年生も引退して、1、2年中心で回っているのに…その中でも雪次くんはエースなんだよ!それが、アンタみたいな軟弱者のせいで、どれほど迷惑をかけていると思ってるのさぁ!!」
怒られているのにはずなのに、俺としては気になることが一つある。
この口調でしゃべり続けるマネージャー君、何気に君は女か?
そんな訳ないが、口調がおかまっぽいぞ!しかも、今どきの女でもこんなキャンキャンキャンキャン吠えないだろ………て、ことは、マネージャー君は子犬系…。
かわいい黒目でギラギラしているって、ことは、『チワワ』かな?
うーん、あとスポーツマネージャーらしいから、そっちよりも『マメ柴』のほうが正解かな?………なんてことを考えていると、マメ柴君(←何気にマネージャの呼び名が変わった)の目がキリキリ吊り上って。
「聞いているの!!」
はい、聞いていませんでした。ごめんなさい。
しかし、はて?雪次の話しでは、俺の『オカン』をしても、支障がでないように部活に励んでいるっと、言っていたのではなかったか?あれは嘘だったのか?
質問を質問で返すのは、失礼とは思うけど………どうせ、一発ビンタが入った相手だし、遠慮なくマメ柴に聞いてみることにしよう。
「マメ柴………いや、マネージャー君、雪次の話しだと僕の『オカン』をしても、部活に影響ないと言っていたけど、それは違うの?」+首傾げ。
「う、うるさい!!そんなのウソに決まってるだしょ!!」
「ほんとうに?」+可愛く首傾げ。
「ほ、本当、だ、だよ!!」
あ、こいつドモリ過ぎ、絶対嘘だ。………て、ことは何で俺にビンタをしたかだ。
もしや、これが古市の言うBL要素の制裁とか?でも、倉吉の親衛隊にマメ柴はいなかったはず…。
しかも、どう抑えているのかわからないが【腐男子友の会】は、俺への制裁がないように圧力をかけていて、今まで下足入れ及び机など傷一つ被害にあったことはない。
あとの可能性は………。
俺が超天才的な頭をフル回転させていると、悔しげなマメ柴の言葉が投げ捨てられる。
「アンタがいるから………アンタがいるから!ぼくは雪次くんに振り向いてもらえないんだ!!アンタの世話焼きで忙しいから、告白しても『興味ない』なんて………。アンタなんか顔だけで、ただ雪次くんを縛っているだけじゃないか!ぼくのほうがよっぽど雪次くんの役に立つ!!そもそも――――」
その後も、マシンガントークを繰り広げるマメ柴。
途中までは聞いていたのだけど、『顔だけで、雪次を縛っている』発言にフリーズしていたら、いつの間にか、マメ柴が遠くにいて「アンタなんか大嫌いだーーー!!」と、捨て台詞を叫びながら走り去っていた。
[後退〜♪][前進〜♪]
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