死神とダンス♪
52.作戦保留ぅ♪
【腐男子友の会】の提示した作戦は、俺の決意がつかないまま保留となっている。
てか、マジにその案しか出ないのかーーー!!もちっとマシな案、考えてこーーーい!!と、杉崎君口調で訴えたのだが、【腐男子友の会】は『bQ8迫ってお色気作戦』(←正式に作戦名がついた)にノリノリで、誰一人俺の話しを聞いちゃいねーーー!!てな、状態で………。
俺、やっぱり、【腐男子友の会】に協力要請したの間違いだったのか?
死神………こっちの方は、早々に後悔しそうな気がするよ。
10月………11月と俺は身体を崩しながら、学園に通う。
死神に言われたとおり、俺自身が杉崎君の身体に嫌悪しなければ、身体の不調が治るのだが、学園内の空気によりそれが無理な状況になってきた。
俺にモテ期が到来したのだ。
いや、これには語弊があるかも知れない。
俺ではなく、俺の今の容姿(杉崎君の容姿)に人気が出始めたのだ。
俺は自分の復讐計画ばかり考えていたから、気付いていなかったのだが、転校初日から俺の容姿は目立つものだった。
クォーター特有の日本人離れした容姿。ハニーブラウンの髪に目の色が紫。肌の色は、かろうじて日本人特有と言ってもいいかも知れないが、病弱のため日に当たってないため白。
なぜ、忘れていたのだろう………杉崎君の美少女…美少年ぶりを…。
それでも、俺自身が倉吉を追いかけまわしていたせいで、告白してくるものはいなかった。
それと共に、雪次がいるせいで俺に手を出す生徒はいなかった。
が、今の俺は【腐男子友の会】の作戦を保留にし、倉吉を追い回すのを止めているし、学園の生徒達からは、俺と雪次の関係を『オカン』だと認識度がアップしたため、告白やラブレターなどが格段に増えてきた。
そうすると、どうしても考えてしまう。
俺の今の容姿を好かれていても中身は………。
だったら、今すぐ猫を被っているのを取り払い、素でしゃべろうと思ったのだが…。
『俺』など平凡人生で普通に使っていた言葉を出すと、皆に「しのタン、何か悪い物でも食べたの!?」とか「ほ、保健室に連れてってあげるよ!」などなど、労わりの言葉が飛び出し………。
これが素です………何て、言えない状態が続いていた。
「雪次、ごめん」
「大丈夫だ」
もう、何十回目かの保健室。
放課後の帰り際の玄関で、またしても倒れてしまった。
雪次は3年生が引退したため、正式にバレー部のエースになった。
本当は、1、2年で新しく構成されたバレー部のエースとなったからには、練習量も増すのだが…。
それなのに、練習が終わると保健室に寄り、俺を抱き上げ寮へと帰る。………ここ、数日これを繰り返している。
雪次は練習で疲れているはずなのに、平然と俺を抱き上げる。
[後退〜♪][前進〜♪]
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