死神とダンス♪
51.拒否しますぅ♪
死神はどうやら、保険医がいない隙に姿を現したようだ。
まぁ、通常普通の人には見えないのだが…。
と、いうか、死神は学園にいる間は、俺の前に姿を現すことを止めていたのに今独断で現れるということは、果てしなく悪い予感しか浮かばない。
「あ、忍クン何か悪いこと考えているでしょ〜?」
もちろんだの意味を込めて睨んでやる。
そうすると、死神はついーっと少し俺から離れ、恐る恐る事情を説明してくれる。
「し、忍クンがこの頃頻繁に倒れる理由は、忍クンがしのぶクンの身体を拒否しつつあるからだよ」
「えっ?」
「考えているんでしょ?倉吉が自分を本気で好きになる可能性が低いのに、このまましのぶクンの身体で復讐し続けることの罪悪感を…」
たしかにそれを考えている。
それに今回【腐男子友の会】からは、身体で迫れなんて作戦まで出されているし………。
生きることに真剣だった杉崎君。
それをこんなことに使っては?と、思うと同時に俺の魂(性格)では、落ちないけど、もし、杉崎君の容姿ならと思うと………。
それで、最終的には、俺は本当に杉崎君の身体にいてもいいのだろうか?と、いう疑問に行き当たり、そして体調を崩す。
これが、この頃の俺の身体の状態だ。
「身体と魂の融合の拒否はぁ〜、身体を弱くするんだよぉ〜。下手すると、そのままぁ〜、あの世行きなんてことにもなってしまうんだよぉ〜」
杉崎君の身体を拒否している訳じゃないけど………。いや、結果的にはそうなるのかな?
もし、俺本来の身体だったのなら、きっぱり振られるなりして、別口で復讐計画を立てるのに…。
「死神、杉崎君の身体を俺は本当に貰っても良かったんだろうか?」
俺は死神の返答が怖く、顔を下に向けて返事を待つ。
「………それを今考えるのは、まだ早い。否応なしに12月24日に全ての結果出る。後悔も感謝もその時、考えればいいだろ?」
「えっ?」
一瞬、死神の口調が変わり、俺は素で驚いて顔を上げる。と…。
「何てぇ〜♪どう、私の今の発言、グッとこなかったぁ〜?」
「………」
その数秒後、俺の高速パンチ(杉崎君の身体だから高速ではない)が死神に炸裂したのは、言うまでもない。←死神のダメージ0。
そうだ。後悔も感謝もいずれ、俺が望む、望まないと出ることになる。
12月24日………それまでに今の容姿でだけではなく、俺本来の魂を愛してくれる人が現れるだろうか?
[後退〜♪][前進〜♪]
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