死神とダンス♪ 49.文化祭の出来事ぉ♪A ***** 「『―――会長、大好きです(最上級の笑顔)』」 ………読み切った…。 途中棒読みになりそうになったが(意識が遠のいた)、古市が脇腹に肘をついてくれて、現実に戻され、周りの生徒達からのヤジにも負けず、最後まで読み切りました。あぁ、読み切ってやったとも!!←かなり、ヤケッパチ。 早くこの場から立ち去りたい………今日の晩御飯は、雪次のお手製ハンバーグがいい。 この傷を癒すのは、何かをやけ食いしないことには―――。 「はへぇ?」 急に俺の身体が浮き上がって、変な声が出た。 周りからは、これまで以上の悲鳴やヤジ。 雪次が俺を心配して、抱き上げたのか? ………しかし、古市と逆側の隣には、雪次がいる。 目線がいつもより高くなって雪次と目が合う………あ、眉間に皺が寄ってる。 ………それでは、俺を今抱き上げているのは、雪次じゃない!?誰!? 「ずいぶん、可愛いことを言うじゃねーか。そんなに俺の隣がいいなら、今日一日俺の隣にいろ!お前ほど可愛けりゃ、俺の隣にふさわしい」 ビキッ!←俺、フリーズ!! 俺を抱き上げていたのは、倉吉。 思わず、ビックリで身体を硬くするが、そんな俺にかまわず、その後、ずっと抱き上げられたままだったり、膝に座らされたり………倉吉の宣言どおり、俺はその日1日ずっと倉吉の隣(?)にいることになった。 これは、倉吉が俺に惚れたということか? ………ヨッシャーーー!!ぐっと握り拳を作り(倉吉に見えないように)、満面な笑顔を浮かべていたのだが。 ピロピロピロ〜ン♪ 謎の音楽…もとい、俺のケータイからメールの着信音が入る。 倉吉に断りメールを開いてみると黒様からで。 『どう?バ会長、落ちたっぽい?でも、これからが勝負だよ!まだまだ、油断できないかね。と、ここで、バ会長から「部屋に行こう」等のセフレ扱い宣言が出たら、しのタンに惚れていないということだからね。間違っても、浮かれてバ会長の部屋にいかないように!』 ………さすが、黒様。 もし、ここで倉吉に「部屋に行かないか?」など、言われていたら、俺はセフレの件など忘れて、ついて行ったかも…そして、部屋についたら即振りにいったな。 うんうん、俺に惚れてもいないのに、そんな発言していたら………復讐計画+死神との契約書(魂の定着)、オジャンになるところだった。 危なかったなー、黒様、感謝! 「今夜、俺の部屋に来るか?」 はれ?なんかデジャヴの声が聞こえる。 もちろん、この声を発しているのは、今俺の隣にいるこの男しかいない…倉吉。 「会長の部屋って」+首傾げ不思議顔。 「決まってんだろ、夜に俺と2人っきりで部屋なんて、ナニするしかねーだろ」 倉吉は、意味ありげな発言をし、ニヤニヤ俺の身体を見回している。 ぞ〜〜〜っ!サブイボ大量発生!! 「会長、僕に今日1日隣にって、僕のこと好きになったんじゃないのですか?」+別な意味で涙目。 「まっさかぁー、俺、本気で好きなヤツできたことないしな。隣にしのを置いたのは、俺の親衛隊より断然見目がいいからだ」 利用できるヤツなら、好きでも愛しているとても言ってやるがな。倉吉は笑いながら、俺にそう付け加えるように言った。 ………殺してもいいだろうか?いや、殺してまえーーー!! 次の瞬間、俺は確かに素に戻り、倉吉の首に手を………。が………。 「会長、忍は具合が悪くなったみたいなので、これで失礼します!!」 俺を肩に担ぎ90度にお辞儀し、さっそうと走り去る。………この人物は、俺の『オカン』。 雪次、離しやがれ!!今ここでヤツを倒すんだーーー!! 俺を心配していた雪次は、俺の様子を少し離れた場所からずっと観察していたらしい。で、何かを感じてしまった雪次は、俺を担ぎ逃げ出したと…。 ***** [後退〜♪][前進〜♪] [戻る] |