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死神とダンス♪
03.第二の人生ぃ♪

「あ、状況なんとなく思い出したぁ〜?」

 死神の言葉に我に返る。

「はい…。俺、とっさに幼馴染を庇って、彼を突き飛ばしたんですよね………。で、俺が死んじゃったと…」

 本当に幼馴染のことが好きだったんだ。振られても…自分が死んでも構わないと思うくらい…。

 あれ?そう言えば、死神はさっきなんか言っていたような………。



「…『手違い』………たしかそう言いましたよね、死神…」

「うん、そう言ったよぉ〜。いやぁ〜、君があの男を庇うとは思わなくてねぇ〜。しっかし、君も運悪いよねぇ〜。あの時、あの男を庇わなくても、あの事故で死亡者なんて出なかったのにぃ〜」

「はぁ?」

 この時の俺の顔は、誰が見ても間抜けにしか見えなかっただろう。

「どういうことですか!?」

「君があの男庇わなくても、実はあの事故で怪我人はおろか、死亡者は出ないはずだったんだよぉ〜。でぇ〜もぉ〜、君は、あの男を庇っちゃったぁ〜。で、君の身体はぐちゃぐちゃになっちゃってぇ〜、それでも、植物人間状態で生きていたんだよねぇ〜」

「植物人間になっていたの、俺?」

「そうそうぅ〜。で、俺さぁ〜、君が閻魔帳の死亡欄に載っていると勘違いして鎌で命狩っちゃってぇ〜。ごんめんちゃい★」

 そう言って、手を合わせ可愛く謝っている死神さん。七三分けのスーツ姿のあなたがやっても可愛くありませんから!!



 でも、結果的に良かったのかも…そんな状態じゃ家族も大変だし…。

 あぁ、それにしても情けない…。こんな間抜な死に方なんて………。

 ごめん、父さん、母さん、妹よ。俺がいなくても、力合わせて頑張るんだぞー!!



 自分の家族に誤り涙を流していると、向い側に座る死神さんが言葉を続けていた。

「でっさぁ〜、間違って君の命狩っちゃったから、閻魔サマ大激怒!そんで、そんな君に第二の人生をぉ〜!っと、言うわけで、この紙を見よぉ〜!!」

 死神に突きつけられた紙を見るとそこには…。

【『契約書』○○地区で死亡予定の杉崎しのぶ、15歳。この身体で、もう一度人生をやり直しますか?了解の場合は、条件として1.―――】

「『1.条件として1年以内に自分を真剣に愛してもらえる人を見つけられないと、身体は差し上げられません。見つけられない場合、強制的に地獄に行ってもらいます。』…ふむふむ、なるほど………えっええぇーーー!!何ですかこの条件!?」

 俺は条件を声に出し…で、次には驚きのあまり、ソファーでくつろいで(いつの間にか出現させたコーヒーを飲んでいた)いる死神に掴みかかる。



 死神は、あさってを向きつつ事情を話してくれる。

「『魂の定着』てのぉ〜?別人の身体に君の魂が入る訳だから、何かあると飛び出しちゃうんだよぉ〜。でぇ〜、君を心の底から愛する人がいると、魂と身体が定着することができて晴れて、その子の身体に君の魂が融合できるって、訳ぇ〜」

「『身体と魂の融合』ね(何か、ファンタジーぽいな)………。いやいや、それにしても、その杉崎君が俺に身体をくれるとは限らないでしょ!」

「そ・れ・な・ら・大丈夫ぅ〜」

 やけに自信満々な死神に、理由を聞こうとするが、「企業秘密★」と、言われ、なぜか可愛く唇に人差し指を立てている。

 軽くキモイぞー、死神。


[後退〜♪][前進〜♪]

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