死神とダンス♪
42.雪次クンの変化ぁ♪A(Side.雪次)
それから、約30分後。知らないケータイ番号からの着信音、姉だ…。←なぜか確信
「姉貴、やっぱり生きていたか…」
『雪ー!アンタ、今まさに死にそうになった姉に何て言い草よ!!一瞬お花畑が見えたわよ!!』
通話ボタンを押すと、はやり、姉は生きていた。
どうやら、大事故だったらしく(?)姉のフェラーリ(下僕の貢モノ)は電柱に衝突し大破、その際、ケータイも壊れたらしい。が、やっぱり姉は無傷。
今使っているケータイは、その辺の男から奪い取ったらしい。←姉貴は犯罪者になった訳じゃないよな?
事故の割に、ほかの車に衝突しなかったらしく、怪我人0名。女王様(姉)はどうやら、悪運強く、死神に嫌われるようだ。
『で、さっきの話よ!しのぶ君に欲情って!雪、もしやもう手を出したんじゃないでしょうね!』
「いや、それで困ったことが…」
『何!もしかして、しのぶくんを孕ませたの!?それなら、あちらのお家にご挨拶…あっと、今はしのぶ君の保護者は、伯母さん夫婦よね。なら、そっちにご挨拶に―――』
「姉貴、しのぶは『男』だ。しかも、オレはまだ手を出してない」
『………そうだったわね。しのぶ君、男の子だったわ…あの天使の容姿の美少女ぶりをいつも見ていたから妹に思えて………て!雪、まだ、しのぶ君に手を出してなかったの!?』
なぜそこに驚く?
それからの姉は、さっさと忍に手を出せ!とか、手を出さないのは忍に失礼とか、いっそそのまま嫁に貰え………などと、古市並にテンションの高さで語ったのだが、オレはそのことを相談したい訳ではなく…。
『だから、雪の無表情で甘い言葉を吐けば、しのぶ君だってイチコロ―――』
「姉貴、相談したいのは別。オレは忍の外(容姿)に惚れているのか、内(魂)に惚れているのかわからん」
『雪、ずいぶん哲学的な問題に直面しているのねー。普通ならどちらもって、ところなんだろうけど、しのぶ君のあの容姿じゃ…ただたんに外(容姿)に惚れましたじゃ、幼馴染として失礼よねー』
本当は違うのだが、まさか姉に身体がしのぶで魂が忍などと言える訳ないので、これがギリギリ限界の表現だ。
そんなことをオレが考えていると、姉がいい案を思いついたのか、いたく真面目な声がする。
『雪、目を閉じてその暗闇の中で、しのぶ君の容姿や声を思い出して………その時、どちらに比重がいくか確認するの。容姿?性格?もしかしたら、両方。それで、どちらに惹かれるか考えるといいわ』
「姉貴…」
『何よ!アタシだって、たまには真面目なこと言うわよ!さっきの方法…落ち着いたら、試してごらん』
そう少し乱暴に言うと、姉はケータイを切った。
姉の方法…試してみるにしても無駄になるだろう。
オレの頭の中には、もうすでにしのぶの容姿+忍の性格かインプットされているのだから…。
ごめん、姉貴、せっかく、シリアスに決めてくれたのに、無駄になったよ………。
そんなことを考えていたのだが、のちに姉のシリアスモードが役立つことになる。
忍の行動によって………。
第2章 END
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