死神とダンス♪
35.生徒会室ですぅ♪
生徒会室前………激しくこの扉を開けたくない。
俺の切実な気持ちを理解してくれるはずもない、【腐男子友の会】こと古市…迷わず、扉を開けます。←古市は興奮のあまり、ノックもしませんでした。
本当は、生徒会室に来る前、生徒会親衛隊なる者とひと騒動あった…が、古市が何か言うと、親衛隊の皆様の顔色が赤から青に変わり、俺と古市に道を譲るように端に寄る。
親衛隊から離れ、古市にどういうこと?と、尋ねてみると、古市からの返事は。
「【腐男子友の会】には、強力な駒(人)がいてね。その駒のおかげで、俺達は、たいてい学園のことはフリーでやれるんだ」
恐るべし、【腐男子友の会】………。
何気にその駒が気になるが、駒という段階で、【腐男子友の会】では上の人じゃないのが、想像できて………。
上の人は、もしかして、学園の黒幕を張るくらいの人物なんだろうか?
自分で考えたことながら、背中に冷たい汗が流れるのを止められない。
うん、これは考えないようにしよう!!
生徒会の扉を開けると、そこは………普通の生徒会室でした。
ここの学園は、特に金持ち学園じゃないから、予想はできたけど…チッ、面白くないな。
隣の古市もそう思うのか、あからさまに残念な表情をしている。
普通の机に数台のパソコン。
生徒会長の席は、多少他の役員より豪華ではあるが、それでも普通かな…。
応接セットのソファーとテーブルも、明らかにお古みたいだし…。
ちょっとがっかり。
「君達は、生徒会室に何か用があるのかな?」
爽やかイケメン君が、不躾に入って来た俺達に声を掛ける。
廻りを見渡すと、生徒会役員全員がいるようで、突然入って来た俺達に呆然としている。
だよね、ノックもなくいきなり入って来て、尚且つ、部屋中ジロジロ見回した挙句、質素すぎる生徒会室に不満げにしていたなんて………おい、古市、この後の展開考えているんだろうな!?
「えっとぉー………」+可愛く困り顔。
額に汗が流れるのを必死に耐える俺。
隣の古市に肘で軽くつくと、古市は満面の笑みを浮かべ生徒会役員に挨拶し始める。
「皆さん、お忙しいところすみません。実は、ここにいる『杉崎しのぶ』君が<是非!>(←強調)生徒会役員様の仕事ぶりを見学してみたということで、見学に参りました」
ちょっと待てーーー!!古市、俺をダシにする気かーーー!!しかも、自分の自己紹介吹っ飛ばしたぞ!!←心の中で大絶叫の俺。
しかしながら、これは古市に届くことはなく…。
爽やかイケメン君が、困り顔で俺達に退室を進める。
「杉崎君だっけ?ここは、生徒会室だし…見学は許されていないんだよ。一般生徒である君とそこのお友達には悪いんだけど―――」
「副会長、そこをなんとか!実は先日しのぶ君は転校してばかりで、しかも、彼は幼少期より病弱のためまともに学校へも通えず、一度でいい生徒会室に行ってみたいと…俺に相談してきて………」
爽やかイケメンは副会長でした。
…で、古市は何気に俺の情報を雪次から聞き出していて、やけに詳しいことがこの時発覚した。
でも、こんなんで、生徒会室入室が許されるのか?
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