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死神とダンス♪
29.運動神経−100ぅ♪

 体育館からなぜか雪次に抱っこしてもらいながら、寮の道のりを歩くことになった俺。

 どこの羞恥プレーだーーー!!と、素で雪次に詰め寄ったが、雪次はあくまで冷静で…。

「忍のその足では、もう歩けないだろ」

 ………見事な分析力だ、雪次君。

 どうやら、いつの間に転んだ怪我は擦り傷だけではなく、捻挫までしていたらしい。



 はい、寮の部屋に到着しました。………何か違う意味で疲れた。

 ここに来るまで、予想通りの羞恥プレー、生徒に会わないように心掛けてもそれは無理な話しで、注目浴びまくりましたとも!!←ヤケッパチ宣言。

 俺が恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にし涙目になっていると、それを見た生徒達は、放課後のクラスメイトと同じ状況になったのか、皆足並そろえてどこかに消える。←きっとトイレだろう。

 本当は、俺だってこんな顔したくないさー!!でも、ハズイんだよ!松下忍の時だってこんなことされたのは、幼稚園以来だ!



 雪次………ほんとうに君は杉崎君の『オカン』だったんだな…。

 素でこんなことできるなんて………。

 妙な関心をしつつ、どうして俺はこんな状況になったんだと、疲れた身体に鞭打つように考えてみる。



 たしか、倉吉の『セフレ』発言に怒り、思わず石を投げ付けた。が、石は自分の足に転がるばかりで………要するにあまりの運動神経のなさに、現段階で身体に異常があるのではないかと思い、急いで雪次に会いに行った。

 しかし、ここでも運動神経0を経験するとこになり、擦り傷+捻挫という勲章をつけることになって…結果、雪次に羞恥プレーをされてしまう…。

 この時、本当は死神を呼んだ。が、死神から返答はなく…どうやら、ほんとうに見守る側に徹しているようだ。←チッ、何気に使えない死神だ。

 たしか、【杉崎しのぶ物語ぃ♪】では、杉崎君の運動神経は悪いっとしか書いてなかったけど、これは酷いよね。

 身体の異常を雪次に報告しなくちゃ。

 最悪、このまま寝たきりになったらマズイし…。



「雪次、なんかしらないけど、俺、どうやら杉崎君の身体に入ってから、運動神経0になったみたいだ」

 俺が落ち込みながら、雪次にそう告げると、雪次からは衝撃の言葉を発せられる。

「いや、しのぶの運動神経はもともと『−100』だ」

「………」

 マイナスって、プラスマイナス0より下で、雪次の運動神経が100とすると普通の人は50。

 そうすると俺の松下忍時代は30程度で、そして、運動神経のない人は0と考え、それより下の表現はないはずで………。

 俺は数学でも解けない、難解な問題に取り組んでいるようだ。


[後退〜♪][前進〜♪]

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