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死神とダンス♪
28.バレー部ですぅ♪

「ゆぅーーーきぃーーーじぃーーー!!!」

 こう叫んでいるうちにもドタバタ、コテン。

 コントのように転んる、俺。

 そして、雪次がいる体育館についた頃には、顔や膝が面白いように血が滲んでいた。



 温室を出て古市に詰め寄り、バレー部の練習場である体育館を教えてもらい全力で走ってきたのだが、なんだこの足の遅さと反射神経のなさ!!

 走っていると、自分の足に絡まり転ぶわ、まっすぐ走れないのか時折り壁に激突するわ、何もないところで躓く………恐ろしいほどの運動神経のなさ!

 平凡、松崎忍であった時、平凡なりの運動神経であったが、どちらかというとスポーツが得意ではなかった俺。

 それにもまして杉崎君は何と言っていいのか………運動神経がもうすでに擦切ってなくなっている(?)状態とでも思えばいいのか、あまりにも酷すぎる。

 これは、病気?はたまた、身体と魂が融合されてないからか?

 そんな、疑問があったものだから、全力疾走で雪次のところに行くのだけど…。



 体育館当直時には、ボロボロな姿の俺。

 雪次は練習中であるにも関わらず、俺の側に来てくれて、怪我の具合を確かめると、救急箱を持って来てくれた。

 どうやら、それはバレー部の救急箱であるようで、一緒にマネージャーらしき小柄な人も心配げに俺を見つめていた。

「小田桐、この子は?」

「俺の幼馴染…です」

「ああ、病弱な。練習はお前が勝手に抜けたんだから、明日、自主練しろよ」

「了解…です」

 雪次は、俺の治療をしながら雪次より大柄な人と話しているが、最後の『です』って、とって付けているということは、先輩で部でもえらい人なのかな?

 俺がじーっと治療をされつつ、眺めていると大柄な先輩は、俺に笑みを浮かべ自己紹介する。

「ここのバレー部のキャプテンです。本当は、練習中は部外者の立ち入りは禁止されているのだけど、雪次から君の身体のこと聞いているから、今回は特別だよ」

「す、すいません。僕、ちょっとビックリすることがあって、それで、そのー」

 ワタワタッと、素で動揺していると、キャプテンは俺の頭を撫でて「落ち着いて」と、声を掛けてくれる。

 いい人だなー。

 鼻にバンソーコーを貼った間抜けな姿で、にっこり微笑んで「ありがとうございます」と、言うと、今度はキャプテンのほうがワタワタし始める。

「あっと、うっと、小田桐、たしかこの子は転校初日だろ?お前の練習はもう切り上げて、寮でゆっくりさせてやれ!」

「明日、朝練…します」

「ああ、よしよし、わかった。ほら、行け!えっーと、たしかしのぶ君だよね」

「はい、杉崎しのぶです」

 キャプテンは、俺の名前を確認すると、雪次の背中を押すようにして。

「しのぶ君、今日は小田桐と一緒に帰って、安静にするんだよ。かすり傷でも君の場合、気をつけないとね。今度は、ゆっくりバレー部に見学しに来てね」

 そんなキャプテンの台詞に、バレー部の面々から「俺達も待ってまーす!」なんて声まで聞こえる。

 楽しそうな部だな、雪次。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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