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死神とダンス♪
01.とっぱじめから死んでますぅ♪

 何もない空間に2人の男がソファーに座っていた。

 1人は俺………あれ?そう言えば、どうして俺はこんなところにいるのだろう?

 たしか俺は、1つ年上の幼馴染の恋人とバスに乗って………そのあとどうしたんだっけ?

 そう考えていると、俺の向かい側に座っていたもう一人の男が、衝撃の言葉を軽い口調で言い放つ。



「ごめんねぇ〜。ちょっとした手違いでさぁ〜、君、死んじゃったんだよねぇ〜」



 主人公…のはずの俺、松下忍(まつした しのぶ)、15歳(中3)は、只今をもって、見ず知らずの男から死亡通告された。

 俺に死亡通告をしたのは、20代後半と思われる七三分けした黒のスーツをビシッと着こなした………なぜか大鎌を持っている男性。

 それにしても、主人公の俺がいきなり死んだら話しは進まないのでは?つーか、何でなんの手違い?

 俺は死んだことが信じられず、自分の身体を見てみる。

 身体が透けている………どうやら、俺は本当に死んでいるらしく、霊体となっていた…。



 あまりのことに呆然としていると、スーツ姿の男はおもむろに、「私、こういう者ですぅ〜」と、名刺をくれる。

 思わず素直に受け取ってしまった名刺には、黒に金文字(…悪趣味)で、『M地区担当死神』なんて書かれていて………。

「し、しししししし死神―――!!」

 霊体になっても叫べるもんなんだなー。っと、妙な感心をしつつ、七三分けの死神の顔をマジマジ見てみるが、表情はニコニコしているばかりで、とても本当のことを言っているようには見えない。

「ちょっと、昔のこと思い出してもらえると、私の口から説明するより、わかると思うんだけどぉ〜、思い出せるぅ〜?」

 間延びした口調で話す死神に多少ムカついたが、俺は、言われたとおりこうなった(死んだとは考えたくない)少し前のことを思い出すことにする。



 最低で最悪な出来事を………。


[前進〜♪]

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