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死神とダンス♪
27.ナンパ師にキレましたぁ♪

 愛しさ余って憎さ100倍!!倉吉の顔を見た途端、こめかみにピキッと青筋が浮いたような気がしたが、何とか抑え込み、自己紹介してみる。

「はい、今日から学園に転校して来た、ま、杉崎しのぶです。よろしくお願いします!」+最大級の笑み。←若干、引きつっている。

 ヤベ、一瞬、松下忍っていうところだったよー!動揺を何とか隠し、このチャンスとばかり話しかけてみる。

「会長、僕は今日転校して来たばかりなのですが、会長の話を聞いて<是非>(←強調)会いたいと思って来てしまいました。ご迷惑じゃありませんでしたか?」+ちょっと首を傾げる。

「いや、全然、可愛い子大歓迎。また、いつでもここに遊びに来ていいぜ。放課後はいつもここにいるから………それとも、ここで会うより2人きりで会いたい?」

 倉吉は俺にそう言って、座っていた真っ赤なソファーから立ち上がり、俺に突然キスをする(唇にだ!)。

 ナンパ師だ………おのれ〜、俺と(忍の時)付き合っていた時は、そんなこと一度もなかったぞ!キスだって、たまに頬とかオデコだけだし!口になんて、付き合うのオッケー貰った時に一度だけだ!



 俺と倉吉のキスに周りのカワイコちゃん達は、ギャーとか変な叫び声をあげる。

 俺は、その声で正気に戻り、思わず、握り拳を作り振りかざしそうになったが…それは、何とか耐えて、倉吉の身体を押しのけるだけに留め、怒りの感情を表さないように努める。

「会長、冗談は止めて下さい。僕は今日、初めて会長と会ったんですから、そんな厚かましいことできません。今は、ここに来られた喜びで精いっぱいです」

 上記↑台詞は、ほぼ棒読み。

 今回ばかりはオプションの笑顔は付けられなかった。

「いや、冗談ではないだけど、今は、お前に会えたことだけでよしとしようか。あっと名前は、杉崎しのぶだよな。しのぶ………、『しの』って呼んでいいか?」

「は、はい」

 さすがに、元カレ(俺)と同じ名前では呼びたくないということか…。

 よし、とりあえず、今日はこの辺で勘弁してやろう。←自分のほうがかなり痛いことになっているが。



 少しヨロヨロしながら倉吉から離れ、ハーレム要員のカワイコちゃんのうしろに行く。

 その際、カワイコちゃんから当然のように罵倒を浴びたが、これはこれから続くであろう声であり、復讐を目指す俺にはそんな声、雑音にしか聞こえない。



 カワイコちゃん達のうしろにいる間も、変わりま映えしない話しばかりで、あと少ししたらここから出るかと、ため息をつく。

 やっぱり、俺を振った原因「あっちの学校で好きな奴いるから」は、嘘だったか…。

 それが真実だったのなら、少しは………いや、復讐はこれからだ!!

 よし!たぶん、古市も外で待っているし、このカワイコちゃん達の声もキーキー響いて何しゃべっているかわからないし、帰るかな。

 俺は背を向け温室から出ようとする中、憎っき倉吉の声が俺に届き(←地獄耳)「さっきの奴、しの…かなりレベル高いな。俺のセフレにしようか…」なんて、声が聞こえ。



 今度こそ、怒りバロメーター振り切れました!!

 不意に温室の花壇にある小石を1つ拾い上げ振りかぶり倉吉めがけて投げつける。が、しかし………。

 ポテッ………。

 俺から約30pのところに小石がある。………俺、今、倉吉めがけて投げたよね?

 俺はカワイコちゃん達のうしろにいるので、誰も見てないことをいいことに今度は、先ほどより小さい小石を手に取り、もう一度、今度は全力で振りかぶって投げつけてみる。

 ポテッ………。

 マジですか?先ほどよりも小さい石で、尚且つ全力で投げたのに、先ほどと変わらない場所に小石が………。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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