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死神とダンス♪
26.温室はハーレムぅ♪

 温室に入って一言………ここは、『異国』でした。

 そんな馬鹿なことを考え、思わず足を止める。

 温室とあって色とりどりの草花があり、俺でもこんなの見たことないぞっというどきつい色の花などがあった。

 しかも、ただの異国ではなく、どこかの王様のハーレムでした。

 温室のドアを開けて入って来た俺を誰も気にすることなく、誰かを中心におしゃべりを繰り広げている。

 黙って入って来た俺は、何かこの中で疎外感を感じる。

 普通、こんな天使の容姿の俺が入って来たら、誰か一人くらいは声を掛けるよな?

 さて、この場合はどうするべきか?………いや、それより倉吉はどこだ!?

 このまま突っ立っているのもなんなので、人が集まっている場所に近づくが、ここで、初めて声を掛けられる。



「アンタ誰!ここは、誰でも入れるけど、『親衛隊』に挨拶もなく勝手に渡瀬様に近づくことは許されてないんだよ!!」

 ほぇ〜、杉崎君(今は、自分)ほどではないが、可愛い男の子が般若の形相で、俺を睨む姿に一瞬怯えるものの、それよりも『親衛隊』なるものを従えるアイドルがいるのか、と思うほうが強かった。

 て、あれ?今『渡瀬様』って、言わなかった?『渡瀬様』→『渡瀬倉吉』→『倉吉』→『俺の復讐相手』→『滅殺!!』(←本当は、惚れさせ振る計画です)

 見事な構図(?)が俺の頭をよぎり、思わず、そのカワイコちゃん(男)の肩をガシッと掴み、「『親衛隊』に挨拶したいなぁ〜」と、妙な迫力のある笑みを浮かべてしまった。



 俺の笑みに何か感じたカワイコちゃんは、その後、親衛隊長となるもののところまで案内してくれた。

 親衛隊長なる人(お菊人形みたいな人)は、ハーレムから少し遠ざかった場所に俺を連れて行き、注意事項などを説明し始める。

「渡瀬様に近づくのはかまわないけど、自分から手を触れてはいけない。話しかけてもいけない。話していいのは、渡瀬様に声を掛けられた時、それ以外に話しかけると、ボク達『渡瀬親衛隊』の制裁対象者になるから気を付けてね」

 目だけ笑っていない隊長さん。

 さっき、お菊人形などと称したが、それはきれいに飾られた日本人形ではなく、ホラーに出て来るお菊人形のような姿だった。

 夜中に目が光って髪が伸びていそう………。

 それにしても、なんだその注意事項は?どこの国の王様だよ!!思わず、隊長さんに突っ込みたくなるが、目がキラリッと光っているだけに何も言えず黙る。

 それから、続けざまにいくつかの注意事項を告げられ、俺はようやっと、念願の復讐相手の顔を拝むことができた。



「渡瀬様、温室に新たな蝶が一匹入室しました」

「へぇー、どんな子?」

 先に突っ込んでおこう。『蝶』とは、ここにいるカワイコちゃん達のことのようだ。

 無論今は俺もだが…サブイボが俺の腕に異常発生した。

 隊長が俺を前に押し出し、倉吉から「名前は?」と、問われ、思わず………。


[後退〜♪][前進〜♪]

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