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死神とダンス♪
21.【腐男子友の会】ぃ♪

「オレの前に座る男が、やたらとこの学園の内部に詳しそうだったら、作ってもらった」

「そ、そう…」

 平然と答える雪次。

 君は、この文章に疑問を感じないのかーーー!!

 あまりにいつもと変わらない雪次に、突っ込めず微妙な顔をしていると、雪次は何かを思い出したように話し始める。

「あ…そう言えば、そいつから伝言があった。『王道転校生の生徒会コンプリートとは、生徒会長、副会長、会計、書記を落とし惚れさせることで、あとスポーツイケメンと不良ワンコも落として下さい!』て、話していた。………『補足して、スポーツイケメンか不良ワンコのどちらかをオレにすればいい』…とも言っていたな…」

「………」←思わず、絶句。

「忍?俺は意味がよくわからんが、何か問題でもあるのか?」

「あると言えばあるかも………とりあえず、俺はそのキテレツな王道転校生になるつもりはないし、落とし振るのは1人でいいから遠慮しておく…」

「そうか。それは、明日伝えておこう」

 真面目に答える雪次………雪次、その【腐男子友の会】とは、きっと男同士のアッハン、ウッフンを萌えとする集団名のことだよ。

 しかも、雪次はその要員の1人とされていて、君を題材に妄想を膨らませていること間違いなし!!

 さて、この事実を雪次に教えるべきかどうか………。



 俺が真剣にそのことを考えていると、ここで突然声が掛り俺以外には、普段見ることのできないものが、実体をもっていきなり姿を現す。

「忍クン、面白いからぁ〜、その【腐男子友の会】の実態、雪次クンに内緒にしようよぉ〜」

 突然、現れたのは死神………。←雪次にも視えるようにしている。

 死神は契約期間中、ずっと俺の側を離れるつもりはないらしい。てか、これは、閻魔様の命令のようだが…。

 それにしても、死神の発言に眉を少し寄せてしまう。

 一応、俺の協力者を名乗り出ている貴重な人材にその仕打ちはマズイのでは?………でも、天然雪次と腐男子の会話も何気に気になる。

 きっと毎回かみ合わない会話を教室内で、繰り広げていると思うと………面白そうだから、死神の言うとおり黙っておこう。



「死神も付いて来ていたのか………。忍、だったら会長のこと、死神に調べて貰えば良かったんじゃないか?」

 当然の雪次から質問。

 死神は何気に生きている人には見えず(故意に見せることはできる)、ヤツを調査するのは朝飯前だろう。

 しかし、それはできないはずだ、なぜならば………。

「雪次クン、それはNGですよぉ〜。私は死神という職業(?)なので、生きている人間の手助けなどしようものならぁ〜、閻魔サマから雷を落とされ、左遷させられちゃうからぁ〜」

 左遷………どこにだ?一瞬、頭をよぎった疑問。



 しかし、死神はそこはスルーするのか、にこやかに七三分けの頭を下げ、別れの挨拶をする。

「それでは、忍クン、良い学生生活をぉ〜!私はこれより、姿を見せず見守らせてもらいますぅ〜。契約内容により、忍クンは自分の魂の正体バレないようにしてねぇ〜。それでは、復讐計画が無事ぃ〜果たせることを願ってダンスしますぅ〜」

 ………ダンスは余計だ!

 俺と隣にいる雪次はお互い顔を見合わせ、シンクロするように顔をしかめる。

 その間、死神はクルクル白扇子を回しながら、よくわからん踊りを披露し、俺でも確認できないようにきれいに消えた。

 どうやら、死神はこれより本格的に見守る側に回るようだ。

 それでも、閻魔様の命により、常に姿はみせずとも俺の側にいるのだろうけどね。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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