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死神とダンス♪
19.編入しましたぁ♪

 4月中旬、やっと医者からオッケーサインをもらった俺は、復讐すべき幼馴染がいる学園に編入することができた。

 もちろん、テストは受けましたよー。

 全教科平均95点以上…でも、やり過ぎました。



 俺の今の身体の持ち主であった杉崎しのぶ君は、おバカ…ゴホンッ、勉強は苦手なようで、大変すばらしい成績の持ち主だった。

 中学3年の卒業式の時、成績表を受け取ったのだが………俺は素で凍りつきましたよ。

 何と、成績表には『マッチ棒』と『アヒル』が徘徊していたのだ。

 ちなみに、『マッチ棒』とは1のこと、『アヒル』とは2の意味です。

 5段階評価で、1と2………。



 生前の俺(松下忍)は、教科書を一度読むと忘れない特技を持ちで、成績だけは天才的だった。

 そんな俺は、今は天才でないのを十分理解しなければならなかったのだが、テスト用紙を見た瞬間その考えが飛んでしまっていたようで………本気になっちゃったぁ〜、テヘぇ〜。←最後、死神口調にしてみた。

 伯母夫婦は驚きとともに、今の生活環境がいいせいね〜っと、喜び、中学の時担任(杉崎君の)は、腰を抜かさんばかりに驚いていた。

 雪次には苦笑いされたけど、事情を知っているだけに「編入おめでとう」と、額を小突かれただけですんだ。

 死神は、俺の正体がバレるのではないかと、大鎌を磨いていたようだが………フッ、残念だったな、それは無駄になったぞー!!



 昼過ぎに学園に着いて、俺を理事長室や寮に案内するのは、なぜか雪次?

「何で、雪次?」

「部屋を同室にしてもらった。………理事長室に案内する」

 相変わらず、簡潔な物言いで………。でも、部屋が同室なのは、素直に嬉しいかな。

 この学園のことは詳しくないし、どうやら、先に入学している雪次の話しだとここはホモ校で、小さい奴は襲われる恐れがあるらしく…必然的に今の俺は、チビで天使のような美少女ともつかない容姿なので、完璧にターゲットにされるようだ。←雪次情報。

 今は体力がないから抵抗などできないしどうしようもないが、隣に190pはあろうかという雪次の厳つい外見が俺の側にいると、誰も手を出そうかと思う奴はいないだろう。



 理事長との挨拶はすんなり終わり、寮に向かう。

 ちなみに4月中旬という中途半端な時期に編入できたのは、ここの理事長と伯母夫婦のおかげ。

 伯父がなんでも古くからの理事長の知人らしく、特別に受けさせてくれた。

 学園は、中・高等部とあるが、高等部からの外部生をかなり取っているらしく、それほど珍しいものでもないらしい。

 それでも、こんな中途半端な時期の編入生は珍しがられるはずだけどね。



 今日はちょうど日曜日で、寮の中では皆普段着の恰好をしていて友達とたむろっている人は多いのだけど、俺の姿を確認するやいなや、なぜか皆呆然と固まる。

 なんとなく理由がわかるけど(杉崎君は天使の容姿)、その隣にいる雪次の存在を確認すると面白いようにワタワタし始める。

 雪次君、君はなぜにそんなに生徒にビビられているんだ?やはり、無口で厳ついから怖がられているのか?

 俺がそんなことを考えていいると、どこからか生徒の声で「美女と野獣」という、声が聞こえて………プッ、ごめん雪次、素が笑ってしまったよ。


[前進〜♪]

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