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死神とダンス♪
16.原因が判明しましたぁ♪

「雪次はすごいな。俺、これでも頑張って杉崎君のマネしていたつもりだったのに、簡単に見破るなんて」

 すっかり、目を真っ赤にしてしまった俺。テレかくしのように雪次に何気ない言葉を掛ける。

 さすが、幼馴染!と、褒めるように背中をバシバシッ叩いていると、ここで凍りついている人物(?)が…。

 七三分けの髪がパラリッと数本落ちて、直立不動で立っている死神?そこに、雪次が衝撃の言葉を発する。

「忍が起き掛けに俺のことを『雪次』と言ったからな…」

「えっ?雪次は『雪次』だろ?なに、なに、何か変?」

「別に変ではないけど、しのぶは俺のこと『雪』って、呼んでいた」

「………」



 ここで、俺は、おもいっきり無言で死神を睨みつける。

 理由は………以前、死神に渡された【杉崎しのぶ物語ぃ〜♪】の資料の一文による。

 そこには、杉崎君が雪次を呼ぶ時の呼称が、『雪次』と書いてあったのだ。

 もちろん、俺は記憶力抜群で、その一文は特に、雪次が俺の正体を見破る恐れがあったから、忘れるはずもなくしっかり今でも、今でも!しっかり、くっきり覚えている!!



「どういうことなのだろう、死神?」

 氷点下より低い空気を漂わせた俺の質問は、死神からダラダラ流れる汗をものともせず、突き刺す。

「誤字脱字かなぁ〜」

「ほぅー、誤字脱字ねぇー。でも、この展開を生んだのは死神のせい…だよな?」

「はっひぃ〜、ず、ずみ゛ま゛ぜん゛!」

 完全に涙目になっている死神に冷たい視線を送る。



 これでわかるとおり、俺の演技はどうやら完璧だった。

 この、死神さえいなければだが…。てか、間違えるにしてもそんな重要なところ間違えるんじゃねー!!



 テンヤワンヤとその後、俺と死神はいつものような展開になり………今、体力のない俺は、それについていけず一人で自滅的なことを繰り返していた。

 その時の雪次は、慌てることなく平然といつものように俺を見つめていたが、なぜか俺には笑っているように見えた。






 これが、俺の新たな人生………。

 契約はいまだ継続中ではあるが、今はそれを忘れて生還できた喜びに踊っていよう。


[後退〜♪][前進〜♪]

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