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死神とダンス♪
15.協力者ができましたぁ♪

「実はぁ〜、しのぶクンが閻魔サマと交渉してくれたんだよぉ〜。罪状3つの1つをチャラにする代わりに、その分を雪次クンがバレることを許してもらうってぇ〜。でぇ〜、雪次クンには忍クンに協力して欲しいって、ことも言っていたよぉ〜」

 杉崎君………身体を貰ったばかりか、そんなことを閻魔様に頼んでいたなんて…俺は、杉崎君に何もしなかったのに…。



 『僕の身体、大事に使って下さいね』



 杉崎君が俺に身体をくれる時、笑顔で言ってくれた言葉………。

 杉崎君を思うと、『復讐』なんて止めたほうがいいのではないのかと考える。………でも、俺の死の原因である元カレの顔がチラつくと………。

 オノレェ〜、俺を置き去りにしたばかりか、葬式後に新恋人とイチャイチャ………やっぱり、許せん!!

 ごめん、杉崎君………でも、きっと『復讐』が果たせたら、その時は、君の願いどおり、身体を大事にして精一杯生きるから、今は許して下さい!



 俺は倒れた身体を起こし、絨毯に正座する。

 目の前には僕を心配している小田桐君。実際には、この身体の持ち主だった杉崎しのぶ君を心配したいだろうに…。

「ごめん!杉崎君の身体を貰って、復讐しようとしているとんでもない俺だけど、小田桐君にもう迷惑かけないようにするから、このこと黙っていてくれないかな!」

 土下座する勢いで、頭を絨毯にこすり付けるように下げる。もう、ザ・土下座人になるから、このことを黙秘して下さいって、訴えてみる。

 そうすると、小田桐君から予想外の言葉が…。

「しのぶは、お前に身体をあげることを了承した。なら、それを、お前がどう使おうと自由だ」

 なんと男らしい台詞っすね…。しかし、まぁ、『復讐』を了承してもらえるとは思っていなかっただけに、俺は呆然としている。

「しかし、お前………忍は今、協力者がいたほうがいいのだろ?だったら、俺が協力者になる。しのぶもそう願っているみたいだし…」

「えっと、それは『復讐』に協力してくれると?」

「………それは、無理。でも、生活する上での忍の協力者にはなれると思う」

 『復讐』は、そりゃー無理か。でも、今までと同じで小田桐君は、今度は俺の『オカン』になり協力するということか。

 その協力者の第一歩として、俺を『しのぶ』ではなく『忍』と呼んでくれているのだろう。



 久しぶりに生きた人間から『忍』と、呼ばれて………嬉しい。

 呼び方は同じだけど、小田桐君は、違いがわかるように少し硬めに俺を『忍』と言う。

 思わず涙が出て、小田桐君に「お、お願いします」と、涙声で対応してしまった。

 小田桐君はそんな俺の頭を撫でながら、これから俺のことを『雪次』と、呼べと言ってくれて、嬉しくて…今まで肩に力が入っていたのが抜けて、それから全開で泣いてしまった。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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