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死神とダンス♪
94.その後のぉ♪B(Side.死神)

 女は男など愛していなかった。あの時現れた賊が、女が本気で愛していた男。

 何てことはない、女は男を捨てたくて、本気で愛していた男に頼んだのだ。

「しつこい男がいて、別れてくれない。お願い、あの男を殺して!」

 女の言葉に愛されている男は了承し、あの夜、男は殺された。

 真実などそんなものだ。

 その後、真実を知った男は【契約】のことなど忘れ、女を激情のまま殺してしまった。

 それで、地獄行き………のち、罪を地獄で償った男は死神となる。

 男は俺………。



 俺は見てみたかったのかもしれない。

 同じ状況に陥った忍がどうするのか…。

 真実を知った忍は、渡瀬倉吉という男を激情のまま殺すか…それとも?

 しかし、忍は第二の人生で、俺とは考えられない行動を起こし(復讐するなど)、別の人を愛した。



 俺もそうすれば良かったのか?ふと、なぜかその時思った。

 昔、閻魔にも言われた。

 俺のあの時の行動は間違いであったと…。

 しかし、その時俺はこれが正解だ!!と、閻魔に食って掛かったが、忍の行動を見れば、あぁ、そういうことも有りだったのかっなんて、柄にでもなく思ってしまった。

 第二の人生になったからといって、同じ奴を好きなると決められていた訳じゃない。

 自分の人生を突き進む忍が………少し、羨ましいなんて思ってしまって、俺にできることがあれば、何でも協力したい…なんて、柄にもなく思っちゃったんだよな。



 しっかし、閻魔のヤロー。業突張りに人から色々なもの取りやがって!!

 本来なら、しのぶの罪状2つを返上することで十分チャラのはずだ。

 俺の鉄扇と降格………きっとこれは、昔の迷惑料なんだろう。

 ふと、顔を上げれば、先ほど語ったのが、俺のことと気付いたしのぶが泣きそうになっていた。

「後悔はしない。今はこうして面白おかしくしてるしな」

 俺がそうニヤリっと笑うと、しのぶはふっと小さく笑い「はい!」と、元気に返事する。



 どうやらTVからはまだ忍の喘ぎ声が聞こえる。

 これだけ長く語っているのに、雪次クン鬼畜だねぇー、忍クンお初なのに…。

 俺は突然立ち上がり、ガシッとしのぶの首根っこを掴む。

 しのぶは訳が分からず、キョトンとしている間にTVに引きずるように向かう。

 漸く、俺の行動に気付いたしのぶからは、悲鳴じみた声が聞こえるが………ここからいいところだ。

 お前の幼馴染がどれほど『鬼畜』ぷりかぁ一緒に観ようぜー!


[後退〜♪][前進〜♪]

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