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俺の幽霊事件簿まとめ
File.13

≪勝負は3回のうち、2回勝利したものを勝ちとします。それでは、1回戦、掛け軸を除霊または封じに成功した者が勝ちです。双方、始め!≫

 合川の言葉で、北斗は校庭中央にある掛け軸に近づくが、ここで不思議な現象が起こる。

 掛け軸の彩子さんが、掛け軸の中で止まったまま動かないのだ。

 いや、この状態が普通の掛け軸なら当たり前だが、彩子さんは普通ではなく、生徒がいようが霊能者がいようが、毒舌ハキハキで女王様のように君臨しているお人(?)なはずで、なぜ、フリーズ(動かない)したままなのか、俺は不思議がるしかない。

 そんなことを知るはずもない北斗は、白蛇・耀姫を使い何やら「行けーーー!!」とか、元気に掛け声をかけている。

 一方、北斗に命じられた白蛇・耀姫のほうは、動かない絵にどうしていいのかわからず、ウロウロして戸惑っているようだ。



 彩子さん、いったい君に何があったんだ?

 北斗のうしろにいる俺はキョロキョロ顔を動かしてザコ(浮遊霊)に質問しようとするが、今日もザコはここに一匹もいなくて、この不可思議な光景は続けられる。



 補足…掛け軸、ふみ箱、番傘は幽霊部が保管していることで、見学料を支払うと一般生徒でも見ることができる。






 1回戦、掛け軸の除霊または封じ………反応なし。

 2回戦、ふみ箱の除霊または封じ………反応なし。

 3回戦、番傘の除霊または封じ………反応なし。



 3回戦もやってこの結果。

 さすがにこれを主催した幽霊部および各部長の顔色が青くなる。

 もちろん、青くなっている理由は、不満を口にする生徒が、時間が経つごとに増えているからだ。




 俺はっというと、少し離れてがっくり項垂れている北斗を見て、うーーーん、などと腕を組み、考えごとをしているのだが、その姿を誰一人見る者はいない。

「もしかして………でも、こんなことあるのか?………いや、でも、それしか考えられないし………」

 俺の呟きは誰に聞こえることもないのだが、これを確認しないことには、このまま無駄に時間を過ごすことになるし…。

 はぁ〜と、俺は盛大なため息をついて、銀髪を掻きながら白蛇・耀姫の元に近づく。


[*祓い給え][清め給え*]

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あきゅろす。
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