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俺の幽霊事件簿まとめ
File.8

 朝、教室に着くと、いの一番に北斗が俺の席に寄ってきて「はい!!」と、元気に『果たし状』などと書かれているパステルピンクの封筒を手渡してくれる。

「………」

 俺が沈黙しているのは、仕方がないだろう。

 ラブ要素もないのにパステルピンクの可愛い封筒………そこに違和感ありありに墨で書かれた『果たし状』の文字。

 何気に嫌に達筆な筆跡で、思わず口元が引きつる。

 それに気づくことない北斗は、「昨日徹夜で書いたんだ!!」と、長い髪をもじもじいじっていたりして…。

 ここが男子校ではなく、北斗が可愛い女の子で渡された封筒がラブレターだったら………俺、かなりマジで惚れていたかも…。



 しかし、現実は厳しく…。

 じっと見つめられたままで目が『早く開けて♪』と、訴えている北斗に渋々封筒の中身を引き出すと、そこには、和紙で書かれた文字が躍り。



【果たし状!! 今週の土曜日、午後1時より校庭にて勝負を挑む!!勝負の内容は、幽霊部に任せており、双方、違法性のないものにする。尚、勝負の拒否権はないので、そこんとこよろしく!】



 明らかに最後の『拒否権はないので…』は、おかしいだろ!!と、思わず北斗に突っ込む前に、前に座る合川に声を掛けられた。

「はよ。廊下で今ローズ先輩に会ったら、式部に伝言を頼まれた。何でも、今日から部活に来ることを禁ずる。理由は、『勝負に違法性が起こるといけないため』だってさ」

 これで、意味わかるか?と、合川が聞いてくるので、俺は頭を抱えながら頷くのが精いっぱいだ。



 幽霊部は何で北斗に協力しているんだよ!!

 しかも、土曜の授業のあとに校庭って、運動部の邪魔になるだろ!!



 こうなれば、生徒会に直談判!!

 こんな馬鹿げたことを許すはずないよな!!

 生徒会には、幼馴染である宇佐原七生(うさはら ななお)&八緒(やお)兄弟がいる。

 ナナ兄(七生)は会長だし、八緒は会計………幼馴染のピンチに協力してくれるはずだ。

 何て思っていると、俺の遥か上をいく奴がいて………わずかな望みも打ち砕かれることを知る。


[*祓い給え][清め給え*]

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あきゅろす。
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