俺の幽霊事件簿まとめ
File.7
1、2年生は、寮は基本2人部屋。
生徒会とか特別な役職についている人は、個室だが(八緒は生徒会会計のため個室)、俺は当然2人部屋………のはずが、俺が転校して来てから、ルームメイトは逃亡(俺のせいではない)したため、俺のルームメイトは、今はいない。
いや、正確にはルームメイトがいるっと、言っていいのかも知れないが、それは微妙なお方だった。
「ただいま、華(はな)さん」
共同リビングのソファーに丸くなっている、ルームメイト………猫?に挨拶すると、猫は目を細め、「よく帰った、小童」と、どこか古めかしい言葉で俺に返す。
猫がしゃべっている!?…と、驚くなかれ、この猫はただの猫ではない。
その証拠にこの猫にはしっぽが3本あり、且つ、人語を理解ししゃべることができた。
『猫又』と呼ばれる妖怪………本来こんな豪華な寮などに存在してはいけないだろって、突っ込みたくなるようなモノではあるが、どうも、櫻ヶ丘学園と契約を結び、この2022号室に住み着く立派な学園の『守り猫』である。
ちなみに、それの仲買人まがいなことをしたのが、俺の死んだじーちゃんらしい…。
何気に妖怪を学園に紹介するなよ!!って、突っ込みたい。
猫又の名前は華さんで、なまじ人間より賢く今では良きルームメイト?である。
夕食を食べ、くつろいでいる時、ふと今日のことを考えてみた。
不思議な転校生、賀茂北斗のことを…。
「華さん、今日、何か学園で不審なことはありませんでしたか?」
俺の言葉に顔を舐めていた華さんは、考え込み、「不審というか、久々に白き守り神にあったぞい」と、自分の手を舐めながら話す。
「『守り神』って、何ですか?」
「フム。ワシは早朝より学園の警備を開始していたが、その時、1人の良き気を纏う小童を見つけてのー。その者を見ていると、懐よりどこぞの名のある神社の守り神であった白蛇と出会ったのじゃ」
「白蛇が守り神なのか?」
「フム。白蛇は、その後、その小童が学園に向かうということで、1人森に置かれたので話し掛けてみると、色々教えてくれたのじゃ」
華さんの話しでは、その白蛇は以前どこぞの神社の守り神とされていたが、数年前、その神社は山の開拓事業で取り壊され、白蛇もその神社から追い出されたようだ。
神社にいた時は、かなりの神力も持っていた白蛇たが、その後、山をさ迷い歩いていうちに力は涸れ、もう死は直前!と、いう時に、厳かな気をもつ少年に助けられ、それ以来共にいるとのこと。
うーーーーん、この少年って明らかに、北斗のことだよね。
厳かな気か………それって、今日の教室での出来事や幽霊王子が近づけないことも関係するのかな?
それにしても、守り神と一緒にいる北斗、何気に幽霊視えなくても最強じゃないか?
そんなことを考えつつ、俺はその日眠りについた。
すっかり、明日『果たし状』なるものを渡すっと、言われたことを忘れて………。
[*祓い給え][清め給え*]
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