俺の幽霊事件簿まとめ
File.5
泣いてすっきりした賀茂は、その後、自分のことは『北斗』と呼べと高々に俺に強制し、ついでとばかりに合川も以下同文。
で、俺達のことは、もちろん下の名前呼びされるハメになった。
はぁ〜〜〜、もう好きにして………と、項垂れていると、そこで追い打ちをかけるような展開が待ち構えていた。
「これで、幽も剛健も今日からぼくの親友な!!」
………ありがた過ぎて、合川と目線で諦めムード。
もちろん、こんな展開になったのだから、俺との勝負はなしになるのだろうって思ったら…。
「親友は親友でも勝負は勝負だ!!ぼくも視えないハンデがあるだから、幽もハンデがあっても、ぼくとの勝負は当たり前だ!!勝負の日時については、明日『果たし状』を渡すからな!」
当たり前って…いつ、俺が勝負にオッケーしたってんだ………。
その後、賀茂、改め北斗から睨まれることはなくなり、目からビームを出さなくなったのだが、勝負と言われた時点で、俺を苦しめる存在になったのは言うまでもない。
明日、学校サボろうかな…。
放課後…というと、俺は幽霊部部室にいる。
八緒は生徒会の仕事+弓道部員として忙しく、今日もこちらには顔を出せないとのこと。
それは仕方がないにしても、俺1人だけドッピンクの腕章をつけた姿に思わずため息が漏れる。
朝の北斗の出会いやらなんやらが強烈過ぎたためか、今日の分の生気を吸い取られた感じで、怪奇現象に苦しむ生徒が訪問してくるたび、適当にオカマ双子の札を吹っ掛けながら売る。
ここ櫻ヶ丘学園は金持ち学校。
一部、庶民もいるが(俺みたいに)、俺が吹っ掛けているのは、もちろん金持ち組だ。
どうやって、それを見分けているのかというと、その辺のザコ(浮遊霊)に訊ねているだけで、俺には普通なこと。
大体の櫻ヶ丘学園のザコは俺の手中にあり、俺の命令に従わせることに成功した。
一部、反抗期のザコもいるが、そういう奴は俺の姿を見るなり逃げ出している。
「フッフフフッ………(学園のザコどもの掌握まであと少し♪)」
思わず、笑いが漏れていると、オカマ双子はガタブル震えている。
[*祓い給え][清め給え*]
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