俺の幽霊事件簿まとめ
File.3
そして、昼休み。
俺の机と合川の机が並べられ、その上には大量のパンやおにぎりや飲み物が溢れていた。
これは、クラスの奴らが俺達の昼食の心配をしてくれて、わざわざ買って来てくれたようだが………本音としては、観戦料がわりにおごってくれたような気がする。
なぜそんな気がするかって?
買ってくれた奴は、俺達から少し離れた場所でパンを片手に見学を初めているからだ!!
おかげでなぜか、俺+合川の机から半径1mを円で描くように人が溢れている。
もちろん、俺の目の前には日本人形………ではなく、賀茂がいる訳で…。
俺は目つきが異常な状態になっている賀茂におもいっきり目を逸らしているのだが、それが賀茂のカンに触ったようで、長い髪が今にも動き出しそうなくらいユラユラ揺れています。
ある意味視線をそらしても、その長い髪のおかげで賀茂が激高しているのが予想できて………。
窓が開いてない分、オカルト的だし…めちゃ怖いよ!!
「それでは、賀茂北斗君、言い分をどうぞ。あと、お昼時間がなくなるから、食事はこの上から好きなのを食べてかまわない」
何気に議長になっているのではないか?的な合川の言葉に賀茂は、側にあった椅子をこちら引きずり座るなり、大量の観戦料(クラスメイトの貢物)からチョコロールを引っ張り出し、ムシャムシャ食べながら話し始める。
「ぼくの家は『賀茂家』で、その昔、安倍清明を弟子にしたこともあるほどの陰陽師を生業とする家なんだ。ムシャムシャ…」
へぇ〜、すごい家柄。
俺のじーちゃんみたいな突発的な霊能者じゃないということか…。
「ぼくのじいちゃんが若い頃、TVの霊能者対決みたいなものに出演して、その時、そこの式部幽のお爺さんに負けたみたい。ムシャムシャ、ズズッー」
「あっ、俺もイチゴオレ狙っていたのにー。賀茂、案外と手が早いな」
「式部、そこは突っ込むところじゃないのか?………と、式部、そこの鮭おにぎりを取ってくれ」
「ホイホイ!」
「「「………(緊張感ねぇーーー!!)」」」
クラスメイト達の心の声は聞こえずとも、のほほーんとした雰囲気で俺と合川はいたのだが…。
[*祓い給え][清め給え*]
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