俺の幽霊事件簿まとめ
File.5
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少し歩き疲れてきた頃、さっきとは別の光が見え始めた。
こちらの光はさっきの光より弱く、消えかかっているようだった。
〔ほら、着いたぞ。お前はこの光に飛び込め!〕
「えっ、お兄さんは一緒に行かないの?」
〔俺は元々こちらの世界の者だ。ここに来たのはお前の両親に頼まれたからだ〕
「………僕、もう父さんと母さんに逢えないんだね…」
〔…いや、もしかしたら逢えるかもしれない〕
お兄さんはなにやら腕を組み、考え込んでいるようだった。
「そう言えば、お兄さんの名前はなんて言うの?なんで僕のこと知っているの?」
そう僕が言うと、お兄さんはニヤリと笑い、突然、僕を光の方へ突き飛ばした。
〔俺の名前は『式部清晴(しきぶ きよはる)』。お前の祖父だ。これから、お前は本当に大変だぞ。まぁ、それなりに頑張れ!〕
………これが、僕の祖父の最初の霊界通信…。
言われたことを考えるより、『頑張れ!』って、何をだよーーー!と、言う気持ちのほうが強かったのを今でも覚えている。
その後、本当に僕が目覚めた時、当然ながら両親は死んでいた。
僕の怪我は右腕の骨折だけ…。
救助隊の話しでは、飛行機が墜落する際、両親が僕に覆いかぶさっていたため、火傷はおろか墜落した飛行機の残骸も僕に降りかかることはなく、軽症ですんだとのこと。
おかげで両親の身体はバラバラだったらしいが…。
あの飛行機事故で、生き残った人は10人にも満たなかった。
しかも、生き残った人は酷い火傷や怪我をした人ばかりで、僕の怪我は奇跡のようだと当時話題にもなった。
しかし、人間一度死に掛けるとどうも色々おかしなことになるみたいで…。
僕の元々の髪の色は黒だったのに、事故のショックで銀髪に変わってしまった。
目の色は黒なのに髪が銀髪だと違和感ありありだ。しかも、顔は平凡なままだし…。
いや、それよりも、困ったことが起きた。
僕はあの体験をしたせいか、霊感がバリバリに開発してしまった。←いわゆる、幽霊さん達が全快バリバリに視えるようになった。
じーちゃん、これが『大変』なことなのでしょうか?
…だったら、もっとはっきり教えておいてくれ!ちなみに霊感の閉じ方教えて下さい!
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[*祓い給え][清め給え*]
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