俺の幽霊事件簿まとめ
File.18
「幽、俺、急用を思い出した!ローズ先輩によろしく言っておいてくれ!」
じゃ、と軽く手をあげ、無駄にナチュラルに微笑みながら、幽霊部部室から立ち去ろうとする八緒。
「待て、八緒。さっきと言っていることが違うんじゃないか?」
俺は離すまいと、八緒の腕を掴み、凄んでみる。
「いや〜、ここに俺の親衛隊隊長&副隊長がいると思わなくて…」
八緒の親衛隊?…あ、そっか、八緒は生徒会書記だし、家柄+容姿良しだから親衛隊があるのか…なるほど。
でも、コスプレ親衛隊隊員は何だかイヤだな…。
言葉遣いもオネー言葉だったし…。
俺達は頷きあって目線で会話し(幼馴染だからできる意思疎通法)、くるりと方向転換して部室から離れようとする。
…が、いつの間にか魔の扉が開けられ、ニコニコ笑って俺達の肩を掴んでいる人物が1人…。
「新入部員2名様、ごあんな〜い☆」
もうイヤ…この幽霊王子…。
幽霊王子はいつの間にか本体に戻って、俺達を取り押さえていた。
こういう時こそ、幽体離脱していろーーー!!←これは俺の心の叫びだ。たぶん八緒も同じ気持ちだろう…。
幽霊王子は、笑っているくせに目が『逃がしてたまるか!』と、いう気迫で、俺達を強引に部室内に招き入れた。←引きずり込まれているとも言う。
イヤだけど腹をくくるしかなかった俺等は、そのまま魔の部室に足を踏み入れる。
「「きゃ〜〜〜!!やっぱり、八緒様だわ〜。ア(ワ)タシ、この部に入部していて良かったぁ〜!!」」
オカマ2人が仲良くユニゾンしているが、その声で八緒の顔が引きつっているのが見えた。
[*祓い給え][清め給え*]
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