俺の幽霊事件簿まとめ
File.11
そうこうしているうちに、2年S組の教室に到着!
呼吸を整えてから、俺はためらいもなく扉を開ける。
ガラガラガラ!
突然、授業中に乱入してきた俺に、目を丸くしている教師&生徒達。
俺はその視線を完全に無視して、目標物である抜け殻めがけて…。
ビシッバシッビシ!!
「目を覚ましやがれ!幽霊王子!!」
往復ビンタをかましました。もちろん思いっきり!
そうすると、今まで死んだように眠っていた(幽体離脱していた)身体がムクリと起き上がり。
「イッテ〜!!てっ、まさかこの方法で、オレが目覚めるとは…」
幽霊王子が両頬に手をあてて目覚めたが、なぜか教室内でざわめきが起こる。
「薔薇王子が目覚めたよ」
「あぁ、はじめて見たよ。ローズ君が授業中に目覚めたの…」
「でも、あの1年なんなんだ?ローズにあんなことして生きていられるのか?」
「いっや〜、僕の薔薇王子が!!」
「アイツ馬鹿だな、今ので確実に制裁決定だ」
なぜか周りから怪しげな台詞が飛び交っているような…。
もしや、この方は、マズイ人物だったのだろうか?
「あのさ、式部幽君。君このままだと抹殺、もしくは、学園内で暴行・強姦で発見されることになるけど大丈夫?何なら、オレがどうにかして助けてあげようか?」
「何でそんなメに俺がなるんだ?」
「ここには親衛隊がいてね。それで、オレにもいたりするんだよね、過激な親衛隊が」
「えっ!だって、それは5大財閥の奴だけなんじゃ………」
「誰が君に説明したかわからないけど、それだけじゃ不足だよ。家柄も重要だけど、容姿のいい人にももちろん親衛隊はいるよ。まぁ、オレは外国とはいえ家柄もいいんだけどね」
なるほど、可愛い&かっこいいね〜。芸能人&アイドルとかと同じだな。
………うん?改めて、幽霊王子をじっくり観察する。
幽霊王子の容姿は、彫の深い顔、染めた形跡のない淡い金髪、瞳の色は天然緑色。
座っているため身長ははっきりとはわからないが、俺よりは確実に10pは高いとおもわれる…完璧王子様がここにはいました。
………俺様先生、もしかして説明し忘れた?
そして俺、転校初日に抹殺決定?
[*祓い給え][清め給え*]
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