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俺の幽霊事件簿まとめ
File.10

「こぉぉら、式部さっさと席に着けぇぇ!俺様の授業を妨害する気かぁぁ!?」

 俺様先生は睨みつつ巻き舌でしゃべっているが、今はそれどころでない!!

「俺様先生!幽体離脱している人…(普通は誰も気付かないよな?)。えっーと、質問を変えます。いつもこの学園で、寝ている2年生の生徒を知りませんか?」

「はぁ?そんなモンここには………いるな………」

「式部、たしか2年S組に1人いるよ」

 俺様先生が考え込んでいるうちに、合川が俺に教えてくれる。

 俺は合川に教室の場所を聞くと、授業そっちのけで教室を飛び出し廊下を走る。

 向う先は2年S組!!

 うしろから俺様先生の怒声が聞こえた気がしたが、俺はかまわず走り続ける。



 廊下を爆走中…幽霊王子は、黙って俺についてきた…。

 いや、1つ訂正、黙っていなかった。

〔あのさ、今授業中だよ。いきなり、オレのクラスに駆け込んだら、かなりビックリされるけど?〕

「そう思うなら、ちゃんと自分の身体に還って下さい!」

〔いっや〜、そう思うんだけど、いつも気付かないうちに身体から出ちゃって…。ところでさ、幽霊部に入部しない?〕

「はぁ!?そんな得体の知れない部なんか、お断りです!」

〔…この部活を作ったの、君のお祖父さんだけど…〕



 さすが、じーちゃん、ネーミングセンス全くないね。

 俺の名前といい、もうちょいマシな名前はなかったのだろうか?

「尚更、イヤです!祖父の作った部活なんて、変なモノが溢れていそうで、近づきたくありません!」

〔アルアル、変なモノ!!妙にリアルな女性の掛軸とか、いきなり動き出す筆とか、その中でも一番変なのが、護符で封印してある箱、なんてモノもあるよ!〕



 なんつーモノ、学校にあるんだー!!そんなモノ金持ち学校で保管して置くな!

 じーちゃん、ちゃんと引き取って成仏させておけーーー!!

 しかも、封印の箱ってなんだよー!



「1つ忠告します。その封印は絶対に取らないほうがいいですよ」

〔大丈夫!その箱自体に誰も近寄れないから。何か周りにいるだけで気分悪くなるんだよねー。今のオレでも近寄れないし…〕

 幽霊王子は手をヒラヒラさせて、説明してくれるが、そんな気味の悪いモノによく近づこうとするな!


[*祓い給え][清め給え*]

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