俺の幽霊事件簿まとめ
File.9
「オレは合川剛健(あいかわ ごうけん)。クラス代表でこのクラスのまとめ役だ。何か困ったことがあったら、オレを頼ってくれ」
「よろしく。さっそくだけど、休み時間に校舎とかの案内を頼んでもいいかな?」
「あぁ。とりあえず、昼休みに食堂から案内するよ」
おぉー、兄貴!!もちろん、頼らせてもらいます!てな、感じで感激しつつ、挨拶してみるのだけど…。
「合川、俺の席ってたしかお前のうしろだったよな…」
「あぁ、どうした?」
合川は、不思議そうに俺の顔と俺の座る席を見つめる。
「…この人誰?」
「何かいるのか?」
俺は指差し訪ねるが、合川には視えていない…と、言うことは…これは!?
今俺が指差しているモノを説明しよう!
俺が座る予定の席には、無駄にキラキラした王子が俺に手を振って座っております。
ちょっと透けている気がするが…。
王子…まさしく、王子様でしょ!!
彫の深い顔、淡い金髪、目の色緑。バックに薔薇でも背負っていそうな完璧美形がそこにいた。
「……式部、一応、言っておくが、オレには何も視えないぞ。…いや、そう言えば、朝から変な気配は感じていたが………」
合川はそう言って、腕を組み考え込む。
俺はその言葉に再度じっくり王子の姿を見つめてみる。
うーん、どうやらこの方は幽霊のようだ…。
しかし、何か気配が変なような?
ここの学園の制服はブレザーで、ネクタイの色で学年がわかるようになっている。
1年は赤、2年は青、3年は緑。
それでこの幽霊はここの制服を着ていて、ネクタイ色は青…2年生って言うことか。
たぶん死んでも成仏できなくて、こんなところに彷徨っているんだろうなー。
かわいそうになどと思っているが、この幽霊王子はニコニコ微笑み、俺に手を振っているばかり…。
「死人にしては、ずいぶん明るい幽霊だな…」
〔へぇ〜、やっぱり君、オレのこと視えているんだ〕
「まぁ、視えていますけど…あなた何者です?」
〔幽霊部部長、2年S組、キーファー・S・ローズでぇ〜す♪〕
幽霊部部長?何だそのネーミングセンスを疑いたくなる部活動は!…なんどと思っていると、幽霊にしては晴れやかな声が響いた。
〔言っておくけど、オレ、死んでないよ〕
「………はぁ!?」
きっちり3秒間沈黙したあと、俺は驚きのため聞き返してしまいました。とさ。
[*祓い給え][清め給え*]
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