[携帯モード] [URL送信]

俺の幽霊事件簿まとめ
File.3

*****

 ズッドーン!!

 大きな音とともに突然飛行機が揺れ始めて、乗客の叫び声や、泣き声が聞こえてくる。

 後ろからは煙が立ち込め、突然の事態に機内放送もよく聞こえない。

「な、なに?父さん、母さん、どうしたの!?」

「あなた!!」

「大丈夫だ」

 両親は僕の手をギュッと繋いで、僕の身体に覆いかぶさるようにする。

 僕も何がなんだがわからなかったが、只ならぬ雰囲気から身体を丸めるように座席にしがみ付いた。

 ドーーーンッ!!

 大きな衝撃とともに僕は気を失う…そして、これが生きている両親との最後の記憶となった。






 気付いたら僕は1人だった。

 しかも、廻りはとても暗くて少し寒くて…僕は訳がわからないまま、両親を求めて暗い道を歩きはじめた。

 途中、何人かの人達とすれ違い、両親の行方を尋ねてみる。



「あのー、日本人の大人の人を…僕の両親を見ませんでしたか?」

〔痛い、痛い!!どうして俺はここにいるんだ!?俺は○○○のか!?〕

 この人は全身血だらけので、僕の話しを聞いてくれなくて…。

 仕方がなく、すぐ側を歩いている親子に同じ質問をする。

〔ごめんなさいね、坊や。私達親子はこれからあっちに行かなきゃならないの。坊やは○○○いるんだから、元のところに戻りなさい〕

 母さんと同じ歳くらいの金髪の女性に話し掛けると、皆が向っている反対側に行くように進められた。



 でも、僕は両親に逢いたくて、その女性が止めるのを聞かず、そのまま暗闇の方へ走り出す。

*****


[*祓い給え][清め給え*]

4/28ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!