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俺の幽霊事件簿まとめ
File.3

 ゴンッ!

「イテ!いきなり、何するんですか!?」

 いきなり、ゲンコしてきたよ、この俺様先生はっ!!

「俺様の話しを聞いていなかった御礼だ!俺は今、『本当の理由は?』と、聞いているんだ!」

「………ここは、サラッと流すとか…」

「理由は!?」

 げっ、俺様先生の眉間に皺が寄り始めた。



 ここは正直に………。

「学園直通のバスに乗る前に、地縛霊に遭遇しまして―――」

「わっわわわわーーー!!俺は何も聞いていない!何も聞かなかった!!」

「ですから!地縛―――」

「いい!何も言わなくていい!!」

 俺が繰り返し理由を話そうとすると、俺様先生は顔を青ざめながら、大声で遮る。



 もしや、この反応は………。

「俺様先生。1つ重要なことが…」

「な、何かな?し、式部(しきぶ)君」

 あ、やっぱ、俺の名前は知っているんだな。

 まぁ、それでも次の台詞を止めようとは思わないが…。

「俺様先生の右肩に―――」

「ぎゃ〜、取って、祓って、清めてくれーーー!!ナムナムナム…」

 いきなり、俺様先生は叫び、俺に抱きつき目を閉じ震え、しかも、何やらお経まで唱えているような………。

「………ゴミが付いています」

 ゴンッ!!

 はい、俺は今思いっきりゲンコを貰いました。

 すごい衝撃です。マジ、痛い…。



「いいな、今のことは忘れろ!記憶の奥底に残して置くことも俺様は許さん!!」

「あまりのインパクトで、忘れる自信がありませんけど…」

「………お前は今日、遅刻をしていない。転校初日に俺に捕まり、今まで英語の資料整理を手伝っていた」

「穂積先生、今日は朝から資料整理で大変でした!(ここで無駄に汗を拭く)そろそろ教室に行き、クラスメイトに挨拶をしたいのですが…」

「よし、物分りのいい生徒で先生は嬉しいぞ!挨拶は次の授業まで待て。次の4時間目が1年F組の俺様の英語の授業だ。その時、お前の挨拶にほんの少し授業を割いてやる」

 この瞬間、俺と穂積先生はガシッと熱い握手をし、和解+遅刻なしの条件を成立させた。

 もちろん、俺様先生が『幽霊が怖い』という、大変不名誉なことを忘れることが条件にだが…。


[*祓い給え][清め給え*]

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