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俺の幽霊事件簿まとめ
File.19

 俺は自分の家の居間にて、40台前半の男性に命じていた。

「いいか、二等兵、俺がここを離れたらザコを統括し、ここの警備にあたるように!」

〔了解であります、隊長!〕

 俺の言葉に直立不動に立ち、ビシッと敬礼する男性…皆さん、正体がわかりますか?

「何かあった場合は、電話の前に貼ってあるメモの番号に電話するんだぞ!」

 俺は電話の前に貼ってある、俺のケータイ番号を指差す。

 二等兵は大きく頷き、その番号を睨み付ける。

 もうおわかりかと思うが、この『二等兵』と、呼ばれている男性は俺の家に憑いている幽霊だ。危害はない。

 それよりも、ずいぶん昔の幽霊なのに義理堅く、力もあり(ポルターガイストが使える)、なまじそこらの防犯設備よりも使える幽霊だ。



「まあまあ、私も二等兵さんに迷惑かけないようにするから大丈夫よ」

 ばーちゃんは、そう笑って俺等のほうに微笑んでいるが、ばーちゃんには全く二等兵の幽霊は視えていません。

 ばーちゃんは霊感ゼロだから、無理はないのだけど、『二等兵』の存在は、祖父から教えられて知っている。

 そう、この幽霊さんは祖父が視つけ、連れて来た。



 どうも、祖父は二等兵を除霊するように依頼を受けたのらしいのだが、特に悪さをしていた幽霊ではなかったので、この家に連れて来て警備を任せいている。

 二等兵は、祖父が亡くなってからもその任務に命を掛けているようで(もう死んでいるけど)、今も黙々と仕事をこなしている。

 もちろん、実績はあります。



*****

 ケース1.泥棒が入った時………。

 普段の二等兵は、ビシッと兵士の服装を着こなし、動き?回っていますが、死んだ当初は全身血だらけだったそうで、その姿を泥棒に見せ驚かせ退けた経歴がある。

 その後、その泥棒は警察に自首したとか。

 俺は二等兵のその姿を見たことはないが、相当怖いことがそのことから想像できる。

*****


[*祓い給え][清め給え*]

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