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俺の幽霊事件簿まとめ
File.14
 
 宇佐原(うさはら)家には3人の息子がいる。

 上から高等部3年にいる七生(ななお)、2番目は高等部1年の八緒(やお)、3番目は中等部3年の九里栖(くりす)。皆、櫻ヶ丘学園に通っている。

 3人とも俺とは幼馴染だ。

 生まれた時から、俺達は長期の休みには一緒に遊び、仲良くしている。

 一応、言っておくけど、俺の家…式部家は庶民だ。が、しかし、なぜか祖父同士が大親友らしく、それ以来、家族同然の付き合いをしている。

 俺の父も宇佐原のおじさんと親友だった。

 父さんが死んだ時、本気で俺を養子にしたいと申し出てくれたりした。

 その申し出は嬉しかったが、俺は祖母のところに行ったが…。



 そっかぁー、いつもは長期の休みにしか逢えなかった幼馴染達にも、俺が櫻ヶ丘学園に通えるようになると、毎日逢えることができるようになるんだ。

 幼馴染の3人は、こんな変な力がある俺をいつも普通に接してくれる。

 たまにこの力を面白がったりもするが…。

 俺は幼馴染と今度再会するが楽しみだと、ニンマリ笑っていた。






 GW初日、嫌味なくらい晴天の日の午後。

 人生そう甘くはない。

 俺はそう、痛感させられていた。

 いくら櫻ヶ丘学園高等部に芸能特待生として、転入できるからとはいえ、試験がないわけではなかった。

 ド田舎高校の成績が地の底なのは、櫻ヶ丘学園でも確認済みだったようで、ペーパーテストは受けなくてもよかったのだが、面接を受けて欲しいと言われ、俺は渋々1人でド田舎から櫻ヶ丘学園に来ていた。

 そして、ただいま理事長室前…。

 はっきりいって、俺は緊張していた。

 そこら辺のザコ(浮遊霊)どもを素手で握りつぶしたいくらいに…。


[*祓い給え][清め給え*]

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