LOVE GAME ■Battle.5(昴視点) U−17(17歳以下のサッカー日本代表)に選抜され、ピッチに立ったが不満いっぱい。 ただフラストレーションが溜まっただけだなっと言えば、きっと周りの人達(主にU−17から外れた者)から非難轟々だろうが、これが素直な感想だ。 オレ…明津昴(あくつ すばる)、17歳、ピチピチの高校2年生。 自慢じゃないが、顔も良しスタイル抜群良しでほっといても女にモテる。 それが、なぜに外国に来てまで女抜きで、男ばかりでサッカーするハメに!! 別にサッカーが嫌いな訳ではない。 女のように我が儘でもなければ、オレ次第で自由にボールが操り、人(選手)を動かせるとなれば、サッカーは最高なものだが。 今回のU−17でのオレの仕事が、守備的MFならそれも仕方なく…。 「明津、聞いているのか!?お前の仕事は守りの補助だ!!お前はそのポジションが―――」 熱く語る幾瀬(いくせ)監督だが、コイツはオレをわかってない。 オレが一番活かせるポジションは………。 ――――― 3日後、まだ海外遠征の試合が1つ残っていたはずなのだが、なぜか日本に帰されたオレ…。 やはり外国でナンパはまずかったかと反省しかけたが、きっかけは何であれ幾瀬監督と気が合わないっと、すっかりやさぐれて帰って来たオレに、高校のサッカーのチームメイトから手厚い歓迎を受けたのは…まぁ、仕方がない。 その更に1週間後、ある1人の人物と出会う…それが、オレを変えるきっかけ。 都会のど真ん中の道で右往左往している人に声を掛けたのは、サッカー界では有名な人で…。 「東京フロチェスの小早川真二(こばやかわ しんじ)選手ですよね?こんなところでどうしたんですか?」 「えっと…迷子かな?」 「小早川選手、それマジな話しですよね?」 照れながら頬を指でカリカリかいて、「田舎から出て来たもので…」と、なぜかペコリと頭を下げる姿に大笑いしてしまう。 田舎のO市出身、高校時代はFWで全国ベスト8。 小早川真二といえばこれが有名だが、FWとしての活躍は日本代表では同世代で抜き出ている。 現在、高校を卒業し、プロサッカーチーム…東京フロチェスにFWとして入団。 まだ新人ということもあって、チームとの連携がとれてないのか試合には出ていないが、そろそろお披露目だろうっと噂されていた。 それが、なぜにこんなところでボケているのやら…。 [■負け][勝ち□] [戻る] |